ずっとたなざらしにしていた若桑みどり『お姫様とジェンダー』を読了。私は、美術史家としての若桑みどりは大好きでファンなのですが、フェミニストとしての発言があまり好きではなく、この人のフェミニズム関係の著作は(『戦争がつくる女性像』のような歴史的調査を除けば)ずっと敬遠してきました。でも、もう亡くなってしまったし、直接声を聞く機会も今後ないのだなと思って、連休を利用して著作を読み直してみました。結論から言うと、本書も想像していたよりずっと冷静な啓蒙書で、優れた本でした。もっと前に読んでおけばよかった(最近歳のせいかそう思うことが多い。時間を無駄にしたと思うよりはいいのだろうけど)。 本書は、女子学生にジェンダー教育をするときの教師向けの指導書という体裁をとっていますが、素直に啓蒙書としても面白く読めます。『シンデレラ』、『白雪姫』などメジャーな女の子向けアニメを見たときの学生のレポートが抜粋さ