マーケットを変えた「エア マックス 95」 チャプターをオープンしてから間もなく、転機はすぐに訪れた。その前年に発売されたナイキの「エア マックス 95」がじわじわと売れてきたのだ。「エア マックス 95」は名前のとおり、ナイキが1995年に発売したモデルで、「イエローグラデ」と呼ばれるカラーリングを中心に、大ブームを巻き起こした。 実際に二次市場で価格が高騰し始めたのは、僕が会社を辞めて、少し経ったころの1996年からだった。当時、若者から圧倒的な支持を得ていたキムタクことSMAPの木村拓哉がCDジャケットで履いたり、広末涼子がポケベルのCMで履いたりと、1997年にその人気はピークに達しようとしていた。 一方アメリカでは、日本のように盛り上がっていたわけではない。野暮ったいフォルムから「イエローワーム(黄色い虫の意)」と揶揄され、売れないからとセール品として定価以下でも手に入った。ただ