『出版業界最底辺日記』(塩山芳明[著]・南陀楼綾繁[編]、筑摩書房)より。 (「2003年11月×日」の記述より。長年の「エロ漫画下請け編集者」としての経験から、「人気の出ない漫画家の傾向」について書かれたものの一部です) 【長く仕事してもらってる割に人気の出ない漫画家には、ロリ&劇画を問わず一定の傾向が。当人達は漫画を描くのが好きで仕方ないらしいのだ。だから決して手抜きはしない。しかし、読み手の立場が頭にないので、努力が明後日の方向へ脱線。(多分、一般漫画はともかく、同業者の漫画もまず読んでない)読者がエロ漫画を読む際に一番気にする、キャラの色気、SEXに至るまでの説得力、体位等のリアリティに工夫をせず、登場人物の数をやたらに増やしたり(描き分けられぬのに)、無意味な場所移動を繰り返したり(ストーリーが混乱、濡れ場が減るのみ)、ささいなネームに凝ったり。(誰も読んじゃおらん) どの編集部