ナンセンスなハンコ 先日、大学で進路説明会なるものが催され、某就活支援サービスの担当者が、就活の心得のようなものを語っていた。そこで、履歴書だかエントリーシートだかの書き方の話になったのだが、「綺麗に書いて最後にハンコを押す段階で失敗して書きなおすことになるのは時間の無駄であるしバカらしいから、先にハンコを押してから書くよう」と指南した。 書類を書く前にハンコを押すとは、ナンセンスに思える。そういうナンセンスな対処を得意げに語ることを許容する社会はどこか鈍いのではないか、誰かこのことをよく考えなければならないのではないかと、そう感じた。ハンコを押すならば、その行為にどのような意味があるか、考えるべきではないのか? 実際のところ、行為に意味があることと、その意味を行為者が認識している(意図がある)ことは別だ。記号は、それを取り扱う者(あるいは取り扱う物)がその意味を認識せずとも、意味を持って