今、司馬遼太郎の『アメリカ素描』を読んでいるのだが、「文化とはなんぞや、文明とはなんぞや」という問いかけがなされており、あまりそういうことを真剣に考えたことのない私には大変興味深い。本書の冒頭で、司馬遼太郎は「文化」と「文明」を下記のように定義する。 アメリカ素描 (新潮文庫) 作者: 司馬遼太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1989/04/25メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 169回この商品を含むブログ (55件) を見るここで、定義を設けておきたい。文明は「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」をさすのに対し、文化はむしろ不合理なものであり、特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。つまりは普遍的ではない。 例えば青信号で人や車は進み、赤で停止する。このとりきめは世界に及ぼしうるし、げんに及んでもいる。普遍的とい