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ブックマーク / www.let.osaka-u.ac.jp/~irie (1)

  • キェルケゴール

    1813年5月5日、セーレン・キェルケゴールは、56歳の父ミカエル・キェルケゴールと、45歳の母アンネ・ルンの末子の第七子として、コペンハーゲンに生まれた。父ミカエルは、相当な資産家であったが、西ユトランドにある寒村の貧農の出で、幼少期、寒さと飢えに苦しみながら生活していた。その頃、彼は絶望に駆られ、激しく神を呪ったことがある。母のアンネは後で、結婚の5ヶ月後には第1子を生んだ。つまり結婚前にすでにミカエルの子を宿していたのである。この不貞と12歳のときに神を呪ったことが、敬虔なキリスト者であったミカエルを一生涯悩ませることとなった。ミカエルは子供たちに、異常とも言えるほど厳格に宗教教育を行った。神に呪われた人間であるという自覚から、神の祝福を信じきることができない父の憂愁は、幼いセーレンに深く刻み込まれ、キェルケゴールはその憂愁を受け継いでしまう。後にキェルケゴールは「私は生まれたとき

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