高校の英語の授業で、教師からライスのRとLを間違うと外国のレストランでご飯(rice)ではなくで、シラミ(lice)が出されることになるぞ、と威かされたことがある。 そんなことは、どう考えても現実にはありえないことであり、これは英語教師によるデタラメな脅迫だと感じ、それ以来、英語が嫌いになった。できもしないRとLの区別を一生懸命に練習するよりもシラミを出すような外国人の教養を疑った方が早いと思った。 それにしても、西洋人は勘が鈍い。おかげで英語には随分、苦労させられた。今の学生たちと違って大学で初めて外人による英会話の授業を受けたのだが、一週間何をして過ごしたか、英語で答えなければならず、少しだけ話すと、直ぐに英語が続かなくなる。大体、当時は明るい青春なんかなくて話すことなどなかったのだ。それで黙っていると、敵はず−っと話の続きを待っている。「話せないのだ」と分かってくれない。 沈黙の時間