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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (13)

  • 裁量労働制のどこがウソなのか?

    <日の企業では事実上、人に時間管理の裁量権がないケースがあり、その状態で裁量労働制の制度だけを適用すれば、結果として長時間労働につながりかねない> 裁量労働制にすればトータルの労働時間が減るのか、減るという統計はウソではないのか、といった話しが政治的な駆け引きに使われています。要するに、野党側は政府が提出した「裁量労働にすると労働時間が減る」というデータの信憑性を疑っているわけです。 確かに裁量労働制というのは、「あるタスクを完遂する上で、時間のかけ方や仕事の進め方を、自分の裁量でコントロールし、主体性を持って仕事に向き合う」という考え方に立って、「求められる成果を上げていれば、出退勤は自由」という運用をするものです。 この制度ですが、理想的に運用がされればメリットはあります。「仕事の遅い人が高額の残業手当をもらったり、努力賞的な評価を得たり」することがなくなり、「スキルの高い人が比較

    裁量労働制のどこがウソなのか?
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2018/02/26
    「事実上、本人に「裁量権がない」にもかかわらず「裁量労働」という制度を適用するのであれば、それは「ウソの裁量労働」…ストレスは蓄積し、労働時間の長時間化と共に労働者の健康を著しく害することにも」
  • 東大PEAKは「高辞退率」を恥じるな

    最初にお断りしておきますが、私としては東京大学が駒場キャンパスに設置した「教養学部英語コース(PEAK)」に関しては、それほどのワクワクは感じていません。理由は単純で、直接的には郷や柏の学部の国際化にはならないからです。 秋入学構想の停滞に象徴されるように、東大の国際化が決して加速していない現実の中で「国際日研究コース」あるいは「国際環境学コース」に絞った「英語での教育」というPEAKのコンセプトは、明らかに過渡的な措置だと思います。 とにかく、東大は全学がPEAKにならなくてはならないのです。全学の国際化が進まない中で、「隔離された存在」としてPEAK「だけ」を推進するのは、あくまで暫定的な話であるべきです。 例えば工学部で「東大が最先端」である領域の先進性を維持してゆくとか、世界における日文化や日語研究で最高の研究機関であろうとするならば、教育も研究も半分以上は英語で行い、世界

    東大PEAKは「高辞退率」を恥じるな
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2015/04/02
    「辞退者が大量に出たというのは、国際的に見ればアジアにある実績ゼロの新設学科に過ぎないこのコースに、「もっと上を目指す優秀層」が大量に応募してくれたということなのです」
  • 「ヤジ事件」を機に、社会的セクハラ体質を徹底検証しては?

    東京都議会の議場で発生した女性議員への「ヤジ事件」ですが、解決のプロセスはともかく、この種の発言は完全に「アウト」であることが広範に認知されたというのは、一つの前進なのだと思います。 では、これで「事件」に関しては犯人探しと謝罪といったみそぎをすれば解決ということでいいのでしょうか? そうではないと思います。この機会に、社会に残るセクハラ体質について、様々な議論が必要だと思います。 3つ指摘したいと思います。 1つは人身売買の問題です。例えば、この月曜日にも、東京都東大和市で「12歳の女子中学生を拉致した男が、「一生家に帰らせない。売り飛ばしたら2000万円になる」などと脅して監禁した容疑で逮捕されるという事件がありました。この種の「女性の人身売買」ということが、まだまだ「場合によってはあり得る話」として社会にあふれている状況があります。 4月期の連続ドラマの中でも、例えば『極悪がんぼ』と

    「ヤジ事件」を機に、社会的セクハラ体質を徹底検証しては?
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2014/06/25
    「日本の社会が進むべき方向ということもありますが、そもそも「セクハラ体質を抱えている」ということは、日本の男性社会一般が「自尊感情に乏しく、脆弱さを抱えている」ということの裏返しだからです」
  • ようやく発表された「北海道新幹線車両」、しかしまだまだ問題は山積

    2015年3月に開業予定の北陸新幹線金沢延伸は、新型車両の「E7系・W7系」も含めて話題になっています。その一方で、その1年先、つまり2016年春開業予定と言われている「北海道新幹線」の新青森=新函館(仮称)間に関しては、全国的にはまだ良く知られていないようです。 この「北海道新幹線」については、JR北海道の一連の不祥事を受けて、「北海道側の新造車両」に関する発表が遅れていました。そのために、この間、色々な憶測が出ていたのも事実です。例えば、JR北海道には「新幹線運行の免許が下りないのではないか」とか、そのために、現在の津軽海峡線の「交流2万ボルト」をフル新幹線規格の「2万5千ボルト」に上げる昇圧を「見送る」、そうすれば青函トンネル以北は法的には新幹線ではなく「スーパー特急」になるので免許が不要だ、などという説まで地元では流れていました。 反対に、地元では、そんな妥協案でもいいから「201

    ようやく発表された「北海道新幹線車両」、しかしまだまだ問題は山積
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2014/04/19
    「木古内駅(仮称)から新函館駅(仮称)の間にはかなりの明かり区間があります。この区間は、新幹線史上例のない「寒冷地」になります。大雪が降っても、気温が低いので融雪システムが使えません」
  • 安倍首相はダボスで何を言ったのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。 この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。 特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏は

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2014/01/28
    「完全に小野洋子さんの懸念が当てはまってしまうように思います。というのは、中国の台頭に対して積極的に「ケンカを買う」という安倍首相のイメージに、「イルカ漁擁護発言」が重なってしまうから」
  • 「国際成人力調査」日本トップは喜べるのか?

    経済協力開発機構(OECD)が、24の国と地域で16~65歳を対象に国際成人力調査(PIAAC)という調査を行いました。この調査は今回が第1回なのだそうですが、日は「読解力」と「数的思考力」の平均点で1位となったとして、各新聞の社説などでは「日教育水準の高さが証明された」という種類の評価がされているようです。 この結果は各国でも報道されており、アメリカでは、例えばAP通信が配信した記事では「アメリカの成人の基礎学力が相当に低い」ということ、日はその点で大変に優れていることなどを取り上げて、「自分たちは何とかしなくてはいけない」というニュアンスで伝えられています。 ですが、私はこの発表を見て喜んでばかりはいられないものを感じました。2点申し上げておきたいと思います。 1点目は調査の評価の問題です。この調査ですが、4種類の領域で構成されています。(1)読解力、(2)数的思考力、(3)I

  • 『あまちゃん』とJR北海道、そして過疎・高齢化を考える

    NHKの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』は、こちら北米でも「テレビジャパン」という衛星放送を通じて大変に好評です。こうした「ネタ」的なものを積み重ねてキャラを造形し、エピソードの反復やトリビアを埋め込んで笑いの小世界を作っていくというのは、アメリカのコメディ群像劇、いわゆる「シットコム(シチュエーション・コメディ)」にもよく見られます。 ですが、当地のシットコムが「視聴率が取れるとダラダラと何シーズンも続く」のと比べると、『あまちゃん』の場合は最初から2クール156回というフォーマットが決まっていたわけです。その中に空間軸と時間軸を埋め込み、特に今週の大団円では予告編で作り上げた視聴者の期待感のハードルを、毎日毎日上へ上へと越えていく作りこみがされている点では、他に類例のない完成度に達していると言って構わないように思います。 この『あまちゃん』には、いわゆる小ネタだけでなく、膨大なサブ・エ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/09/28
    「地方と中央、高齢者と現役世代と若者世代、それが理解し合い、対等にリスペクトしあう中から、何か「新しいもの」を生み出していく、もしかしたらその積み重ねにしか「着地」はないのかもしれません」
  • 「ディーゼル特急を守れ」、JR北海道のギリギリの闘い

    ここニュージャージー州をはじめ、ニューヨークからマサチューセッツなどの米国北東部では、夏というのは道路工事の季節です。あちこちで、路面をはがして再舗装する作業が続いています。というのも、12月から1月には大雪が降ったり、気温が摂氏で氷点下10度を下回る中で、路面が凍結を繰り返す中で数年で舗装がガタガタになってしまうからです。 そうした工事区間を通りながら、私はJR北海道のことを考えていました。実はJR北海道が現在置かれている苦境というのは、ここ米国東北部のガタガタの路面と、ある意味で重なるものがあるからです。 そのJR北海道の特急列車では、ここ数年、発煙や発火の事故が多数発生していることから、11月にはダイヤ改正を行って、特急の最高速度を時速130キロから110キロに減速するという発表がされました。 日の鉄道技術、特に安全対策は世界最高水準であるのに、どうして北海道だけ事故が頻発するので

  • 副都心線・東横線の直通運転、不安感中心の報道に対して一言 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    (*関東ローカルの話題ですが、少々気になる問題ですのでお許し下さい) 3月16日(土)の始発電車からいよいよ、東京メトロの副都心線と東急電鉄の東横線が直通運転を開始します。これによって、既に副都心線と直通運転を行なっていた東武東上線と西武新宿線の車両が、東横線に直通することになります。また、みなとみらい線の「元町・中華街」から東横線・副都心線経由で西武池袋線の「所沢、小手指、飯能」や、東武東上線の「川越市、森林公園」行きの電車が終日走ることになります。 このニュースに関しては、直通運転の開始を直前に控えたここ数週間、移行に伴う不安に関する報道を何件か目にしています。不安というのは次の2点に集約されるようです。 1つ目は、渋谷での東横線(現在は地上2階)から山手線(地上2階)、東京メトロ銀座線(地上3階)への乗り換えが、東横線が地下5階の副都心線の駅に「もぐる」ことで混乱が生じる、具体的には

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2013/02/27
    「「乗り換え推奨」によって、東横線の乗客が渋谷で山手線、銀座線、そして半蔵門線に流れる量を抑制するようにすべき」「上記の3つの「乗り換えルート」は、乗客の利便性という意味からもベストな選択」
  • アメリカの外食産業に過労死がない理由とは?

    大前提として客も店も細かいことはゴチャゴチャ言わないし、とりわけ中堅以下の企業化されたファミレス系やファーストフード系に至っては、サービスの水準はかなり低いという問題があるわけです。その点では、日とは全く別世界で比較の対象にはならないのですが、個別の問題では参考になる点もあると考えて箇条書きにしてみました。 (1)役割分担がハッキリしています。例えば、注文を取るのは「サーバー」、最初に接客して客をテーブルに誘導するのは「ディスパッチャー」などという「専任」ですし、料理を運んだり皿を下げる専門の「アシスタント」など接客だけでも細かく分かれています。厨房の中も役割分担が明確です。 (2)職務内容は契約書で明確になっています。ですからコストカットのために、ある仕事を他の人間にカバーさせるなどということは不可能です。また契約に書いてあることは双方が履行しなくてはなりません。野球の井川慶選手がヤン

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/03/06
    「同じ外食産業といっても、労働契約や労務管理に関しては、全く日本とは事情が違います。ですが、こうした要素一つ一つが「ブラック性」であるとか「過労死」という方向性とは反対の作用をしているのは事実」
  • ニューヨーク・フィルの「iPhone 着信音事件」、その時指揮者は?

    昨年末にご紹介した小澤征爾氏と村上春樹氏の対談について、一点気になる部分がありました。それは往年の巨匠レナード・バーンスタイン(『ウェストサイド物語』の作曲者でも有名)が音楽監督だった時代に研修生として指揮をした経験に基づいて、小澤氏がニューヨーク・フィルハーモニーの演奏姿勢について否定的であった点です。 小澤氏の批判は、特に弦楽器の奏法が「軽い」というものでしたが、この点に関しては一昨年からアラン・ギルバート氏が音楽監督に就任したことで大きく改善されています。楽団の名誉のためにも、そのことを申し上げておきたいと思います。このギルバート氏は、日人のお母様が同楽団の現役バイオリスト、お父様も同楽団のバイオリニストで人もバイオリン奏者であり、就任早々に弦楽セクションの奏法を変更しているからです。 さて、このギルバート氏ですが、NYフィルの音楽監督として最も力を入れているのは、グスタフ・マ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/01/19
    「このニュースが丸一日ニューヨークのメディアを賑わせたというのは、勿論この曲がニューヨーカーのお気に入りだということもありますが、ギルバート氏の「ダメージ・コントロール」が見事だったということもある」
  • 尾崎豊の再評価が不要な理由

    アメリカには成人式というものがありません。18才で法的に成人する若者に、社会全体で期待をしたり説教をしたりという習慣はないのです。成人式的なメリハリは宗教が担っているという理由もありますが、もしかしたら世代ごとに世界観の論争をしたり、反抗と抑圧の抗争をしたりというカルチャーが弱いからかもしれません。そもそも核家族イデオロギーが機能する中で親子が比較的仲が良いということもあると思います。それがアメリカの強さと弱さを輪郭づけています。 そんなアメリカとの比較で言えば、日から聞こえてきた成人式の日の「今の若者に尾崎豊のような反抗を期待」するという朝日新聞の社説と、その社説を批判した常見陽平氏の『「成人式はバカと暇人のもの」若者に「尾崎豊」を強制するのはやめなさい』というアゴラの記事を巡る論争は大変に興味深く思えました。 尾崎豊と言えば、校内暴力の時代の「反抗カルチャー」の象徴とされています。常

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/01/11
    「そうした若者には「戦略なき反抗」などという破滅志向はないのであり、それはそれで正しいのだと思います。尾崎の歴史的意義はあるにしても、再評価は不要というのはそういうことです。」
  • 「永田洋子死刑囚の死」を契機として、改めて世代の問題を考える

    いわゆる連合赤軍の幹部として、リンチ殺害事件や「あさま山荘事件」などによって死刑判決を受けていた永田洋子氏が死亡したというニュースを聞きました。永田氏とそのグループの起こした事件、および永田氏の個人的な軌跡については、私はもう関心が薄れています。というのは整理するのは比較的簡単だからです。 自尊感情の強い人間よりも弱い人間のほうが権力欲や支配欲、あるいは「大胆な行動」への飛躍をしがちだという悲劇の典型であること、これは歴史上の独裁者から、現代のブラック企業の経営者に至るまで無数な例があり、永田氏もその一つと数えられるように思います。これに加えて家庭や職場あるいは学園などで個の尊厳を勝ち取る取引のできない人間に限って、自分とは無関係な「究極の不幸」を探す旅に出て、地の果てまで行ってその「不幸の原因」へ暴力を加えることで英雄になろうとする、これもロシア・アナキストの爆弾テロから現代のアルカイダ

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/02/12
    「いわゆる60年代末から70年代初頭の学生運動が、どうして永田氏のグループの起こした事件の発覚を契機に衰退して行ったのかという問題」
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