Love | 09:15 | お金が無くなった日のことは今でもよく覚えている。あまりにも悲しかったので、首を吊ろうかと何度も思いつめた。その日の翌日が、カード会社の引き落としの日で、死ぬしか選択肢が無かった。弱者から金を奪う行為は、死ねと言われるよりも残酷なことだ。 人の道に外れたことをして稼いだお金は、恐ろしいほどあっけない。その金は、幻だったのだ。正直、悔しかったが、いい経験をした。真っ当な道を歩み始めた今はもう、あのような甘い蜜は吸うまいと心に誓った。 金に執着すれば、自分にとって最も大切な人をも見失う。人生の伴侶に出会うチャンスは、一生に一度きりに違いない。その人を、金の魔力にとりつかれたまま見失ってしまったならば、一生かかってどれだけお金を稼ごうとも、到底得られないかけがえのないものを失ったことになる。 お金がたくさんあるときは「自分一人でも生きていける、私にはお金があるからお前