従業員が1万人を超える大企業になると、若者の早期退職者はほとんどない。入社後3年たっても1%から2%にすぎない。中卒者の7割、高卒者の5割、大卒者の3割が3年以内に離職することを七・五・三現象などと言うが、大企業の離職率の低さを、皆なんとなくわかっている。 若者の数は減っているのに、大学生の数は増えている。1985年は185万人だったが、2010年には288万人になっている。いうまでもなく進学率が変わっているからだ。85年は26.5%。10年は54.4%である。今後も「中卒」ですぐに就職する若者は限りなく少なくなり、大卒の早期離職は増加していくだろう。 大企業の採用数は増えていないので「入り口」が狭くなるのは当然である。分数がわからない大学生などと揶揄(やゆ)されるが、エントリーシートを何百通書こうと、無理なものは無理である。「大卒」がかつての「高卒」「中卒」の職場にいくのは自然の成り