出水市の採卵鶏農場で発生した鳥インフルエンザの感染経路などを調べている県の疫学調査チームは14日、県庁で会合を開き、調査内容をとりまとめた。発生鶏舎内でネズミの死骸やフンが見つかったことなどから、ネズミがウイルスを運んだ可能性がある、と結論づけた。21日に最終的な報告書をまとめ、県に提出する予定。 会合は非公開。座長の高瀬公三鹿児島大教授(家禽疾病学(かきんしっぺいがく))によると、感染経路について野鳥、人、空気感染などの可能性を検証したが、いずれも否定。鶏舎からネズミ1匹の死骸と多数のフンが見つかり、モグラの穴が鶏舎の内外に複数あったことから「ネズミがモグラの穴を通り侵入してウイルスを運んだと断定はできないが、可能性を否定できない」と結論づけた。未消毒の井戸水が鶏の飲用に使われていたが、高瀬教授は「ウイルスは水で繁殖できず、井戸は密閉されていたため、感染源と考えづらい」とした。【福岡静哉