つい最近まで「自民党の最高実力者」と呼ばれて権勢をふるった二階俊博・前幹事長が、総裁選の負け戦と岸田内閣の発足で権力の座から真っ逆さまに転落した。 【写真】肩が触れる距離、ノーマスク、25人の閣僚らが並ぶひな壇 「次の衆院選に私が立候補するのは当たり前のことだ」──二階氏は総裁選後の10月2日、地元・和歌山で報道陣にそう語って引退を否定した。だが、二階氏の“衆院選出馬”がニュースになるほど、自民党内には依然として引退説が根強い。 「二階さんは82歳、年齢的にみても復権は難しい。選挙準備だけしておいて、総選挙直前に体調を理由に引退を表明、急遽、後継者の三男を出馬させるのではないか」(細田派幹部)との見方もあるほどだ。 これまでポスト面で“我が世の春”を謳歌してきた二階派は、総裁選の対応で河野支持、高市支持、野田支持に割れた挙げ句、大きな亀裂が入って分裂の危機にある。二階氏が派内でも威信低下を