第2次世界大戦の戦没者で、南方で戦死した日本兵の遺骨としては初めて、厚生労働省がDNA鑑定による身元特定に成功したことがわかった。 遺骨は今月8日、遺族に引き渡された。遺骨のDNA鑑定は2003年度から始まっているが、身元を特定できたのはシベリア抑留中の戦没者だけで、フィリピンや沖縄など南方戦線での死者の例はなかった。 身元が特定された遺骨は昨年7月、硫黄島を訪れた政府の遺骨収集団が見つけた。同島西部の「島民平和祈念墓地公園」近くの地中に埋まっており、旧日本軍が建造したコンクリートの防御陣地付近から掘り起こされた。 遺骨のそばでは万年筆も見つかった。持ち主のフルネームが漢字で彫られており、厚労省が硫黄島に駐留した兵士名簿を調べたところ、同じ名前があり、本籍地の自治体に照会して遺族の所在を突き止めた。 遺族が希望したため今年3月、甥(おい)に当たる男性から口の粘膜細胞の提供を受け、遺骨のDN