『シノドス』に,「現代思想・政治思想史」研究者の重田園江という人のインタビューが掲載されている. 「「ボキャブラリー」の変化が、人間の思考を変化させている――思想を歴史的に研究する意味とは 現代思想・政治思想史 重田園江氏インタビュー」(2017年3月8日) 記事のタイトルにもあるように,インタビューのなかで,次のような発言がでてくる 人間の思考は言葉でできていますよね。そのため、言葉遣いが変わると思考も変わるわけです。 語彙(ボキャブラリー)が変わると人間の思考が変わるというと,いかにも言語によって思考が変わる/影響されるという言語相対論あるいはサピア=ウォーフ説の一種のように聞こえる.おそらく,重田氏じしんもそのつもりで発言しているのだろう. 少なくともぼくにとって,2017年の時点で,重田氏がこうしてなんら限定もつけずに(そして関連研究をとりたてて考慮することもなく)気楽に言語相対論