彼女との出会いは写真展でした。レンジファインダーカメラ好きが集まって開いたグループ展。凛とした姿で会場に現れた女性が、透きとおった目で一点一点写真を眺めている。放課後の部室のように日々くだらない話に花を咲かせていた私たちは、にわかに言葉を失うと、ただ彼女の目線の先を追ってしまったものです。 彼女の名は高野志穂(たかの しほ)。職業は役者。NHKの連続テレビ小説「さくら」に主演していたと言えば、ご存知の方も多いのではないでしょうか。そんな彼女の肩にかかっていたのは、使い込んだブラックペイントのライカ。きちんと写真を撮っている、そういう姿をしたカメラでした。 そもそもライカというカメラは、写真好きでなければなかなか手にしないものです。若い人が手にしていること自体めずらしく、それが女性であれば尚更。「どうしてライカを使っているのだろう」「どんな写真を撮るのだろう」「どんな人なのだろう」。きっかけ
Voigtländer ULTRA WIDE HELIAR 12mm F5.6 Aspherical Ⅱ 2010.09.15 ,LENS 唯一無二の12mm。APS-Hなら約15-16mm、APS-Cなら約18mm相当。よくぞこのサイズでリリースしたと賞賛ものの1本。
「初心者向けの記事が欲しい!」と、レンジファインダー初心者である編集長と編集員M。しかし、想像するにレンジファインダーカメラの使い手の皆様は、一般的主流のカメラを乗り越えてのユーザなわけで、相当の手練れか好き者!? 私・編集員Kのリアクションは「え〜」てな感じでした。しかし、レンジファインダーカメラ人口倍増計画を目論む我がサイトにおいて(目論むのは勝手でございます)、確かにそんな記事があってもいいかもと筆をとってみる次第です。が、ベタベタに「写真とはこうでなきゃイカン!」なんて偉そうなことを書けないですし書くつもりも毛頭ございません。レンジファインダーのゆる〜いファインダーの如く、小手先ちょちょいで何となく「わかった風」になれる、そんなちょっとイカサマ臭い、しかし「粋」な記事を目指してみたいと思います。 さて、第1回目は「小手先で写真を面白くする方法」という何ともふざけたタイトルですが、今
確かに高価だ。写真を撮らず棚に飾るユーザも居る。そしてライカを単なるブランド品と揶揄する人も居る。べつにライカを実用で傷だらけにして使い込んでいるユーザが恰好いいと言うのではない。 ・・・結構誤解されているカメラだと思うのだ。 カメラの基本性能(特性)を簡単に記すと、まずこれだけ小さなボディにフルサイズのイメージセンサーを積むことが大きな特長としてあげられる。この時点で唯一無二である。レンジファインダーの極端に短いフランジバックでこれだけ大きなセンサーを積むのは至難の業である。またセンサーはローパスレスである。(このカメラの性格上)実用上支障のない程度にモアレや偽色を低減できるのならば ローパスは無いに限る。像のシャープさがまるで違うのだ。そして無数といってよい交換レンズ群の存在。オールドから、どんなシステムを見渡してもこれほど積極的に性能の出しやすい単焦点レンズが新しい設計で充実している
Scottさんのライカ歴は、奥様の叔父様の遺品としてブラッククロームのライカM5を譲り受けたことから始まる。少し無骨で、何より使い込まれてエッジが鈍色に光るボディにひかれたそうだ。そして、ライカが持つ精密さ、手触り、重みと、写真のワルサーと重なったそうだ。なるほど、いかにもScottさんらしい。銃に慣れ親しんでいない私がその理由を聞いても、なんとなく納得できてしまう。ライカのあの出で立ち、手触り、精密感。手にした瞬間にやられてしまった人はたくさんいるだろう。 元々フイルムで撮影していたそうだが、時代の流れで徐々に現像所が一つ、また一つと閉じていき、EPSON R-D1sを使うように。Scottさんが来日された際に「ライカM9はどうですか?」と尋ねられた。私は、「フルサイズに拘る必要がなければ、M8はかなりいいですよ」と、私のM8を好きなだけ使ってみてくださいと無理矢理手渡した。後日、Sco
「レンジファインダーな人達」と銘打ち、レンジファインダーカメラを愛し、写真を愛する皆さんを紹介しようという企画が持ち上がった。編集長曰く、「カメラやレンズの話だけでなく、レンジファインダーカメラを愛する人の、その人となりや、写真に対してのスタンスそしてアプローチなど、もう少し濃い記事を」とのこと。果たしてまわりに記事に相応しい人物が居るのか。唸らされる写真、人柄、哲学。レンズとホッピー握って、物欲と買ってしまったことに対する言い訳を小1時間並べ立てるお茶目な人はたくさん居るものの、困った、まるで思いつかない。1人だけ心当たりがあるのはあるのだが・・・と、恐る恐るメールを1通。「私なんかが役に立つのであれば」とご快諾をいただき、このたび編集員Kが皆様に素敵なレンジファインダーの使い手をお一人ご紹介したいと思います。 今回ご紹介するのは米国在住のScott Tsumuraさん。お仕事の関係で4
先代と違って開放からかなりシャープに像を結ぶ。5-10m程度先にピンを置いても前後に十分のボケ量が得られるため、まるでPENTAX67に105mm F2.4をつけたような描写が135ライクで実現してしまう。最短付近で遊ぶよりも全然面白い。しかしこのクリアさは先代には無かった特長である。 LEICA M5 , LEICA NOCTILUX-M f0.95/50mm ASPH. , Photo by K 中央と周辺のボケ量の違いがよくわかる。しかし本当にf0.95なのか・・・。少なくとも先代はここまで写らない。 LEICA M9 , LEICA NOCTILUX-M f0.95/50mm ASPH. , Photo by N,MATSUI このレンズはやはり積極的に開放で使うのが面白い。意地悪な背景での撮影だが、ボケ味は先代に軍配か。このあたりは使い方次第。
ライカアカデミー主催のワークショップ会場は、NYCブロードウエイ沿いの29番通りにあるACE Hotelの会議室で開かれた。さすがライカが設定した場所はアーティストやデザイナーのたまり場でもあるという、歴史を漂わせた、しかし実に瀟洒な作りの四つ星ホテルだった。セミナーに参加したのは計15名(内女子1名)で遠くはスイス、ニュージーランドからも来ていた。そして日本人らしき若い男性が一人、日本ベースでボストンやNYCにも仕事で滞在することが多いというIさんが初対面で開口一番「ヨドバシのスコットさんですね。」、びっくりしたが緊張しているなかで日本語で話ができる相手がいてうれしい一幕だった。始まりは自己紹介と各自写真に対する思い入れや、どんなジャンルの写真が撮りたいのか、何故そう思うのか、どんな目的でこのセミナーに参加したのか等、講師のプロ3人から質問を受けながらの応答で先ず最初の冷や汗。申込み時に
現行のULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 ASPHELICALは2世代目となる。初代は現行のものよりコンパクトで距離計に連動しないLマウントのレンズであったが、現行レンズに至ってMマウント化・距離計連動化された。初代はいわゆる「青玉」(描写が青い)で、2代目になって幾分その傾向が弱まった感がある。フルサイズで使えば12mmという途方もない画角だが、APS-Cにおいては18mm相当の画角に。都市光景をダイナミックに捉えたり、主に風景撮影では重宝する画角となる。いずれにしても、本家ライカレンズでも16mm、GXRでは最も広角となるのが本レンズであり、それだけでも手に入れる価値は十分にある。ここまでの画角を実現しながら、フルサイズでも周辺まで実によく写る。APS-CであるGXRの場合、文句無しだ。初代に比べれば大きくなったとはいえ、GXRボディとあわせても、18mm相当の画角
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