◇機関車お供に遠路到着 その昔、地下鉄の電車をどうやって地下に入れたのかを考えていた漫才師がいた。今回は、そんな鉄道車両の運び方の話――。 京浜東北線では現在、「209系」という電車から、幅が広い「E233系」への交換が進む。多くは、新潟市にあるJR東日本直営の「新津車両製作所」の製造だ。 電車は完成後すぐに、自力でどこでも走れるわけではない。車両基地で整備をし、試運転などを経て、初めて「京浜東北線の電車」として走れる。だから、新車は新津駅から機関車に引かれ、JR信越線―上越線―高崎線というルートで、さいたま市内の車両基地まで回送されてくる。 E233系は、新潟以外の車両メーカーでも造られている。例えば、川崎重工の兵庫工場(神戸市兵庫区)で造られた車両は、JR山陽線の兵庫駅から東海道線や武蔵野線などを経由して運ばれてくる。この場合、JR貨物の機関車に引かれ、貨物列車として輸