高齢者はしばしば「棺おけに片足突っ込んでいる」などと自分の現在を表現する。しかし、そう語る人に限って「まだまだ死なんぞ、もう一花」とも思っているものである。 しかしまた、体調を崩して弱気になると「そろそろ(終わり)かな」と思ってみたりする。私を含め高齢者は概して「まだまだ」と「そろそろ」の間で生きている。言い換えれば「終わりの時を生きている」のである。 老いの時期を「終わりの時」と見る以上は、人生の「終わり」ということをどう理解するかを考えておく必要がある。 いや、考えておく必要はないのかもしれないが、私は職業柄、そういうことを明確にしないと先に進めないので、しばらくお付き合い願いたい。 ということで今回は、「老活」を考えるうえで重要な「医療における人生または生命の終わりの捉え方」を参考にしながら、考えを進める。 「終末期ケア/終末期医療」と従来言われてきた領域がある。「終末期」に対応する