最近、国民栄誉賞の“安売り”が目立つとはいえ、オリンピック2大会連続金メダルの羽生結弦選手の活躍が受賞に相応しいものであることは疑いない。だが、賞の目的にある「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった」選手は羽生選手だけだったのだろうか。咬みついたのはプロボクシングの村田諒太(32)だ。 *** 村田が東京新聞に登場したのは、2月26日のこと。オリンピックの閉会式の翌日に「平昌異聞帳」と題したコラムで〈縁と運は挑む者のみに〉という話を寄せたのである。ご存じのように村田もロンドン五輪の金メダリスト。その経験を踏まえてのコラムだ。 〈平昌五輪の総括といたしましては、スピードとフィギュアのスケート勢が全てを持っていってしまった感じですね(笑い)〉 と軽い話題から始まり、メダルを獲ることの難しさ、そして「縁」と「運」にも左右されると続ける。 〈縁と運は意図して引き寄せる