Confrontation and Reconciliation between Iran and Israel 聖学院大学政治経済学部政治経済学科 教授 宮本悟 Satoru Miyamoto ●民族間の対立に加えて宗教間の対立の要素が入ると、さらに和解は難しい。 ●国際環境変化で和解が成り立つこともある。 ●民主化によってむしろ対立することがある。 国際政治の舞台では数多くの国家間の対立があるが、2国間だけでなくある地域全体を巻き込む大きな対立もある。イランとイスラエルの対立もその一つである。両国ともに、相手が非民主主義の独裁国家であり、核兵器を開発あるいは保有していると批判している。現在、イランとイスラエルは、和解しようという動きすら見えない。 イランとイスラエルの対立は、他の中東諸国にも大きな影響を与えている。イランは、イスラエルと対立するガザを拠点とするハマース、レバノンに拠点を
1月22日に召集された第196回国会の初日、河野太郎外相が衆参両院に向けた外交演説を行った。【演説テキスト】【演説の映像】 「6本目」の柱に対中東外交が 演説は冒頭で、第2次世界大戦後のリベラル国際秩序が揺らぐ中、この国際秩序に裨益(ひえき)してきた日本が支えていくと宣言し、続いて北朝鮮に対する圧力強化を訴えるなど、安倍政権の基本姿勢を踏襲しているが、「河野色」が鮮明に出た部分がある。 (なお余談だが、リベラル国際秩序を支える主要な勢力としての安倍政権の役割は、リベラル国際主義の理論家ジョン・アイケンベリー・プリンストン大学教授によって『フォーリン・アフェアーズ』誌上で高く評価されているほどであり、国際的には安倍政権は外交的な「リベラル派」「国際主義」の残された数少ない孤塁として認識されている。G. John Ikenberry, "The Plot Against American Fo
「なぜ、中東外交に力を入れるのか」 去年8月に就任して以降、中東地域を頻繁に訪れている河野外務大臣には、たびたびこのような質問が向けられるそうです。そんな時、河野大臣は「中東が重要だからに決まっているじゃないか」と答えるといいます。 中東は、原油や天然ガスなど日本のエネルギーの主要な供給地域として重要だというのは疑問の余地はありません。しかし、エルサレムをめぐるイスラエルとパレスチナの問題のほか、サウジアラビアとイランの対立など、宗教や宗派、民族などが絡みあった問題がたくさんあります。いずれも、日本にとっては複雑すぎる問題のように思えます。 しかし、河野大臣は「日本だからこそできることがあるのだ」と胸を張ります。河野大臣がこだわるのはなぜか。また、日本だからできることはなにか、探ってみたいと思います。(政治部記者 辻浩平 石井寧) 「日本が中東に関与しないほうがリスクが大きい」 去年12月
1985年1月、イスラエルのペレス首相の「密使」が日本を訪れ、中曽根康弘首相と会談し、中東和平実現に向けた関与を働き掛けていた。20日公開の外交文書で確かめられた。石油購入などを通じ、イスラエルと対立するアラブ諸国との関係が深かった日本は、内政問題を抱えるペレス氏との個人的関係を軸に外交を展開するのはリスクが高いと判断。アラブ側の反発も懸念し、肩入れしない考えを伝えた。 今月上旬、エルサレムをイスラエルの首都に認定したトランプ米政権にアラブ側が強く反発する中、日本政府は懸念を表明しつつ米国への配慮も見せた。当時も今も中東外交でのバランス維持に腐心する日本の姿が浮かぶ。ペレス氏は93年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)の立役者の一人で94年にノーベル平和賞を受賞した。 「密使」は、イスラエル系米国人の時事漫画家でジャーナリストのラナン・ルリー氏。対アラブ強硬派として知られたイスラエルのシ
2017湾岸・アラビア半島地域バハレーンアラブ首長国連邦 公開日:2017/12/11 12月9日から10日、河野外相はバハレーンとUAEを訪問した。河野外相による中東諸国歴訪は9月に続き2回目。また、日本の外相がバハレーンを訪問するのは史上初となる。 河野外相は、バハレーンにおいて英国の国際戦略問題研究所(IISS)が主催するマナーマ・ダイアローグに出席し、日本による中東地域の平和と安定に向けた日本の政策・貢献について演説した。演説では、9月にエジプトで開催された第1回日アラブ政治対話で表明された「河野四箇条」(①知的・人的貢献、②「人」への投資、③息の長い取組、④政治的取組の強化)に基づき、中東地域の安定化に向けて積極的な役割を日本が果たすこと、「平和と繁栄の回廊」構想など日本ならではの中東貢献策を進めていくこと、中東を含むインド太平洋にて自由で開かれた海洋秩序を確保していくことなどが
2011.01.30 中近東の政権は、みんな正統性というアキレス腱を抱えている。 例えばレバノンは、各宗派が人口に応じて大統領、首相、国会議長といった役職を分け合っているが、かつて最も人口が多かったマロン派キリスト教徒とスンニ派のイスラム教徒の人口は既に逆転したと見られている。しかし、レバノンではこの数十年、国勢調査が行われていないため、役職の割り振りの見直しは行われていない。 シリアは、人口の約一割のアラウィ派出身のアサド大統領とアラウィ派が多数を占めるスンニ派他の民族を力で押さえつけている。 バーレーンでは、スンニ派の首長がシーア派が多数を占める国民を統治している。 サウジアラビアは、イスラムの中でも最も厳格なワッハーブ派を国教としているのに親米路線を取っていることに対して、宗教的な保守派から王家が批判されている。 ヨルダンは、伝統あるハシム家を王に抱くが、かつてパレスチナ難民が大量に
2017.10.15 外相就任以来、外相会談を60回、これに多国間会合等も含めると合計106回もの会合をこなしてきました。海外出張も、マニラでのASEAN関連外相会合、ワシントンでの日米外務・防衛大臣会合(2+2)、モザンビークのマプトでのアフリカ開発会議(TICAD)閣僚級会合、ウラジオストクでの東方経済フォーラム、中東訪問と日アラブ政治対話(カイロ)、そしてニューヨークでの国連総会と世界を駆け巡ってきました。 日本の外交が直面する課題のなかで、私が特に取り組みたいもの、取り組まなければならないものが六つあります。 第一は、もちろん北朝鮮の核とミサイルの問題の解決です。北朝鮮を核保有国として認めて、共存を図るために交渉すべきという意見もありますが、日、米、韓、中、露、すべての国が朝鮮半島の非核化を目指しています。 強固な日米同盟を基盤として、韓国や中国、ロシアとしっかり連携し、北朝鮮の核
(CNN) ミャンマー政権の事実上のトップ、アウンサンスーチー国家顧問が、今月ニューヨークで開かれる国連総会への出席を取りやめた。 報道官は声明で、中止の理由は2つあると説明。その1つとしてイスラム系少数派ロヒンギャの難民が大量に発生している西部ラカイン州の情勢を挙げ、「テロリストの攻撃とともに治安、人道にかかわる課題がたくさんあるため」と述べた。 2つ目の理由については、「国内でテロ発生の恐れがあるとの報告を受けたため」と語った。 ラカイン州では先月末、武装集団が国境付近の治安施設を次々と襲撃した事件をきっかけに、軍が「テロ掃討作戦」を強化した。国連によると、戦闘から逃れようと隣国バングラデシュへ避難したロヒンギャの住民は37万人を超えている。 バングラデシュのハシナ首相は12日、多数のロヒンギャ難民が身を寄せている避難施設を訪問。「ここにいる女性や子どもたちに何の罪があるというのか」「
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2017その他 公開日:2017/01/31 2017年1月27日、アメリカのトランプ大統領はイラン、イエメン、シリアなど中東・アラブ諸国7カ国からの来訪者について、査証を所持している者でも3カ月間入国させないとの大統領令と、シリア難民の入国を無期限で禁止する大統領令を発出した。既にアメリカ国内やEU諸国、国連などからこの措置に対する様々な反応・抗議行動が伝えられているが、入国禁止措置の対象国など、中東諸国・社会の主な反応は以下の通り。 シリアのムアッリム外相は30日のUNHCRのグランディー高等弁務官との会談で、シリア難民に帰還するよう改めて呼びかけた。 イラクのジャアファリー外相は30日の駐イラク・アメリカ大使との会談で、イラクが民主的な国であり、「イスラーム国」などのテロリズムとの戦いで多大な犠牲を払っていると指摘、アメリカによる入国禁止措置に疑念を表明した。また、イラクの国会ではア
Secretary of State John Kerry’s visit with President Vladimir V. Putin on Tuesday in Sochi was widely interpreted as a sign that the United States views Russia as too important to ignore.Credit...Pool photo by Joshua Roberts MOSCOW — For Russia, victory came three days after Victory Day, in the form of Secretary of State John Kerry’s visit this week to the Black Sea resort city of Sochi. It was wi
政治と経済 『【後藤さん殺害映像】人道支援演説めぐり共産「2人への危険、認識あったのか」vs首相「テロリストに気配り必要ない」 (1/2ページ) - 産経ニュース』へのコメント
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