天皇陛下が国内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」がきょう行われる。陛下と上皇さまから「費用は極力簡素に」との意向が示されたため政府は費用削減に取り組んだ。しかし費用総額は平成の代替わり時の前回と比べて3割増の163億円に上る見通しだ。 政府が前もってこの日を「国民の祝日」とし、国事行為として巨額の公費を投じて全国的な祝賀ムードを演出することの意味を冷静に考える必要がある。 この儀式で天皇陛下は天孫降臨神話に由来する玉座に立ち「お言葉」を述べる。首相ら三権の長は仰ぎ見る形で万歳を三唱する。新憲法下で初めて行われた前回、国民主権や政教分離の原則に反しており憲法違反―との指摘があった。しかし今回、十分な憲法論議がないまま前例を踏襲することとなった。 前回は、明治後半期に制定し戦後廃止された登(とう)極(きょく)令(れい)を基に催された。皇室典範では皇位継承時に「即位の礼を行う」とだけ規定されて
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