ウェブ時代にあるべき本の生態系を目指して 2010年8月19日 ITカルチャーメディア コメント: トラックバック (0) フィードITカルチャーメディア (これまでの yomoyomoの「情報共有の未来」はこちら) 早いもので本連載を開始して三年になりますが、その(ワタシにとってのみ)記念すべき第1回のタイトルは「書籍とクリエイティブ・コモンズとコンテンツの未来」でした。これに始まり、昨年の「電子書籍と読書体験のクラウド化」あたりまで、本ブログでは何度か書籍をテーマにしてきましたが、ちょうど献本いただいた岡本真、仲俣暁生編著『ブックビジネス2.0』(実業之日本社)を読み終えたところなので、今回はこの本を取り上げたいと思います。 マガジン航でもお世話になっている編者の仲俣暁生氏をはじめとして、本書の執筆者には、その文章を以前から読んでいる人が多かったので、内容的にあっと驚くところは多くあり
宮崎監督が岩波少年文庫50冊に推薦文 部数限定豆本に2010年7月26日宮崎駿監督=福岡亜純撮影『岩波少年文庫の50冊』の表紙 アニメーション映画の宮崎駿監督が、岩波少年文庫から選んだ50冊それぞれに推薦文を書いた。企画・脚本を担当したスタジオジブリの映画「借りぐらしのアリエッティ」が同文庫の『床下の小人たち』を原作にしていることから、同映画の公開に合わせて岩波書店の協力でジブリが小冊子にまとめた。 岩波少年文庫は1950年に創刊し、約400作品が刊行されている。冊子は豆本サイズで、文庫1冊ごとに見開きで表紙と推薦文を紹介した。いずれも宮崎さんが読んだ当時の表紙を載せている。 「本がとても貴重だった時代には、1冊ずつに非常に意味があった。この年月の間の本と人間との関係の変化には、愕然(がくぜん)とせざるを得ない。それでも、いま読んだらやっぱり意味があるのではないかという本を選んだ」 選ぶ時
夏になるとなぜか出版社や書評サイトが活発化するわけでして、色んな人が色んな切り口でオススメ本を推薦してくれます。 この「虐殺器官」は話題作ですし、やたら面白いですので、オススメの本として上げる人も少なくないのではないかと思います。 このエントリは、そんな「虐殺器官」の次に読んでほしいようなオススメ本を挙げるとしたら、どんな本になるだろうな? というものであります。 まずは作者の他の作品 作者の他の作品を挙げるというのがまずは無難、なんですが、ご存知の方も多いでしょう、作者の伊藤計劃氏は惜しまれつつも若くして世を去っています。挙げるとしても、わずか三冊しか挙げることができません。 ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫) 伊藤計劃記録 この中で一冊オススメするとしたら、作者が「虐殺器官」の他に遺した唯一のオリジナル長編にして、死の直
フランス第二の大手出版社editisが、2007年に未来の読書風景を描いた長篇プロモーション・ムービーを発表している。近い将来、家庭内、書店、旅先などでどのように電子書籍デバイスが使われ、生活のなかでいかなる役割を果たすかが、具体的にとてもよくイメージできるように作られた、すぐれた映像である。 書店の場面が面白い。現在と同様、印刷された本が大量に置かれた書店の風景。いまと違うのは、読者は本に電子書籍デバイスをタッチさせることで、コンテンツをダウンロードできることだ。本は棚に戻し、読書は電子書籍で行うのである。 この映像についてボブ・スタインは、if:bookの記事で「これは1987年にアップルが提案したナレッジ・ナヴィゲーター以来、もっとも興奮する本の未来についてのヴィジョンだ」と述べている。 (映像中の会話の大意) *勤務先の学校から妻が帰ってくる。家にはパソコンに向かう夫。 女 「本を
昨夜、twitterで出た話題なんだけどね。 ある人が「積ん読が増えてフラストレーションがたまっていた」って話したんだよ。「積ん読」というのは、本を買ってきたけど読まずに積み上げてる状態のこと。ま、オジサン世代の共通語だと思ってくれたまえ(笑) で、僕がその人に「読書と言うのは全部読むことじゃないんだ。それをしてたら、本が多量に読めない。もちろん小説やマンガは全部読んで楽しむものだけど、こういう研究書やビジネス書は「いかに自分の関心があって『面白がれそうな部分』をつまみ読みするのか」が醍醐味だと思う。」って返した。 以前の僕は「買った本は全部読まなきゃ!」と思っていたんだ。もちろんどの本も読みたくて買ってるんだけど、徐々に部屋が本で埋まり出す。 いわゆる山のように「積ん読」で部屋がいっぱいになっちゃう。 で、ダイエットしたときに、考え方を変えた。 「読まなきゃ」と思ってる本で、過去三ヶ月開
紙メディアで横書の小説を読んだことがな いのでよくわかりませんが、書いているとき には、あきらかに「縦書の文体」と「横書の 文体」というふうに変化します。これは意識 してのことではなく、皮膚感覚のようなもの です。現在では、Webでの発表を念頭にお いたものとそうでないものにも、じぶんで気 づくくらいに文体に差が出ています。もし将 来横書の紙媒体への発表を念頭において小説 を書くことがあれば、とうぜん文体もそれに ともなって変化するだろうとは思います。た だ、変わる部分と変わらない部分の見きわめ が重要なのだろうとじぶんでは考えています。 申しわけないのですが、横書小説に可能性 ・抵抗のあるなしではなく、もしそうなった ら自作はどうなるだろうか、という、あくま で自作中心の考えかたしかできません。あた えられた枠組のなかでどれだけのことができ るか、という思索の一として、「横書」を考 えて
「情報力」は、老舗の書評ブログ「情報考学 Passion For The Future」の橋本大也さんによる、情報活用についての本です。 情報力 橋本 大也 (著) [Amazonで詳細を見る] ネットを使った情報の集め方、整理法、そして活用方法のノウハウが、全部で94ページという超コンパクトな本の中にギッチリと詰まっています。非常に具体的で、このソフトを、このサービスをこう使えというところまで踏み込んでいます。 そして、驚くべきことに、橋本さんは速読ができません。 ネットで著名な人はたいてい速読ができそうな印象がありますが、橋本さんは200ページ強の本を読み終えるのにだいたい3~4時間。普通です。本を読むときも最初から1行1行追って読んでいるようです。 その代わり橋本さんは「即読」を進めています。つまり「読みたい」と思ったらすぐに読む。モチベーションが高いうちに読む。すると読書速度も速い
ハローワークのワンストップサービス、そして住宅支援について濱口先生 のところでも言及されていて、そうですよねーと思っておったところなのですが、本棚片付けてたら、探していた本が出てきたのですーー。うれしいー。たまには本棚整理してみるもんだ。 人は住むためにいかに闘ってきたか―欧米住宅物語/早川 和男 厳密にいうと、上で貼っている本は新装版なので、出てきたのは、旧版(新潮選書)なのですが、これは、新装版にした版元えらい!名著です。70年代から日本の「住宅福祉の貧困」をずーっと言ってらっしゃる第一人者の先生と言ってもよいのではないでしょうか。若いときに読んで感動した本です。以前紹介した平山洋介先生の「住宅政策のどこが問題か 」でも触れられていた日本の住宅政策における大きな事件、75年の福岡県の老人がおこした単身者入所に関しての裁判なのですが、その証言にも立たれた方。もともとはこの本は「欧米住宅物
1カ月間に本を1冊も読まない人は23.7%――。読書推進活動をしている財団法人・出版文化産業振興財団(JPIC)が、来年の国民読書年を前に行った「読書実態と意識に関する調査」で、そんな実態が明らかになった。 全国の20代から60代の人を対象にインターネット調査を実施。1550人から回答を得た。1カ月に読む本の冊数は「1冊」が最多の29.2%。「5冊以上読む」と答えた人は10%だった。「0冊」と答えた人が多いのは30代で、この世代の27.4%にのぼった。「3冊以上読む」と答えた人は60代が最も多く、32.2%いた。 「0冊」と答えた人に理由を聞くと、30%の人が「仕事、家事、勉強が忙しくて時間がない」と答えた。20.2%の人が「読みたい本がない、何を読んでいいか分からない」、15.8%の人が「読まなくても不便はない」。 調査では、子どものころの読書体験が読書冊数に大きな影響を与えている
「仕事や勉強のために本を読みたい」「素早くたくさんの本を読みたい」という時に学びたいのが「速読」のテクニック。はてなブックマークでも関心が高い「速読」関連エントリーですが、ただ「速く読む」というだけでは実際に役に立ちません。そこで今回は、「速く読むテクニック」に加え、「読んだ内容を理解して、実際に生かす」ために役立つエントリーをご紹介します。 テクニックを学ぶ前に!重要なのは「読んだ内容を理解して、何らかの成果を出すこと」 「速読」というと、「速く読むテクニック」の部分が注目されがちですが、同時に重要なのは「読んだ内容を理解する」ということです。 3分で読める! 隣のヤツより成果を出す勉強術:速読できない人のための速読力養成講座 (1/4) - ITmedia Biz.ID 速読をする際の「理解力」に注目したこちらのエントリーでは、「本に書かれた情報の中に、自分の体験情報と結びつく情報があ
本棚の可変棚の高さが、新書にいまいち合わずに困っているのであれば、「ちょこっと棚上げ」を使って調節してみてはどうだろう。 昨今は出版社を問わず、新書がちょっとしたブームになっている。例えばAmazon.co.jpの「Best Books of 2007」では、和書部門の上位20位のうち5冊が新書といった具合だ。手軽に読めて持ち運びやすい新書のミリオンセラーが増加したことで、ひと昔前に比べて本棚のライブラリに占める新書の割合が増加した人は多いことだろう。筆者もその1人である。 しかし、新書を手持ちの本棚に収めようとした場合、可変棚の高さがビミョーに合わないことが多い。というのも、奥行きが15~20センチ程度の本棚は、文庫本の高さを基準に可変棚のピッチが決められていることが多く、新書に合わせて可変棚の位置を決めようとすると「帯に短したすきに長し」の状態になってしまうのだ。結果として、新書だけ寝
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネットグループ(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2023年5月時点の調査。
先日、平和さん(id:kim-peace)が、こんなことを書いていた。 実は・・・銀英伝が判りません 小説を読んだことも、アニメを見たこともありません。ヤン提督の名前と顔はかろうじて一致します。 スターウォーズのデススターみたいな要塞がでるんでしたっけ? 某所と某所がDVD-BOXの話題で盛り上がっていたのですが、全然付いていけません・・・ 読めよ。 いや、ひとの価値観はそれぞれなので、どの本を読むのも読まないのもそのひとの勝手ではある。でも、ライトノベル読みなのにこの作品を読み逃がしているなんて、それは人生の損失でしょ。 およそ、日本のキャラクタ小説で、この作品を超えるものは存在しないと思う*1。単純に商業的側面だけを見ても、正編全10巻だけで1000万部を超えるセールスを記録している。日本出版史上屈指のベストセラーなのである。 もちろん、世の中には何がおもしろいのかわからないベストセラ
As a Futurist… 人の興味は尽きることがない.いや,興味を無くした時点で人で無くなる.永遠の「知りたい」を追求するブログ. ぷろふぃ~る はてブ たんぶら~ ぶっくす にこにこ りさ~ち デジタル時代に書籍は淘汰される? 前エントリで,「ネットやPCが第6感となっている のではないか」と書いたけど,それを推し進めれば情報をすべてPCやネット経由で得ることができるように なり,またすべてPCやネット経由でパブリッシュすることができるようになるのではないかということになる. そうなれば,これまでのアナログな技術というのはどんどんなくなっていくのではないか. たとえば書籍.文字の情報伝達についてはインターネットはすでに熟練の域に達してきている一方,まだまだ これからその伝達スピードや質は変化していきそうな勢いがある.それに比べれば書籍なんてのは それが登場してから(多分)何百年も経つ
検閲によって既成組織が破壊され新規参入 生き残った新規版元の条件。 1.新進作家発掘 2.既成版元との共同出版 3.板木の購入再版(いわゆるコピー商品) コピー商品の氾濫。いつの時代もパクリがのさばる。 漠然と保守化していく [明治15年頃]ニューメディアと戯作者、消費の加速化 コストの違いが活版を木版より優位にする。活版印刷は現在のDTPのように新規参入を可能にした。 古いメディアの解体が埋もれていたソフトを解放する。 新聞の急速な発展・本を持って外にでよう 江戸・明治のメディアの変遷。 近代読者の成立 (岩波現代文庫―文芸) 作者: 前田愛 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/02/16 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (30件) を見る 商業主義化していた江戸後期戯作出版機構は天保の改革により大きく変質した。 検閲によって既成組
目下ストレートに答えておきたい問題があります。しかし残念ながら、それはまだ今の私の手には余る作業です。そこで、それは置いておいて、少し回り道を書いておきます(昨晩、水村美苗『日本語が滅びるとき』買ってきたので書くかもしれません)。 この文書で私が言いたいことは、明治の文豪はまさに今、読むに足る面白さを提供しているということです。 危機から脱し続けた日本グローバリゼーションが進行しつつある現在、私たち日本人は世界的な金融と IT の波に飲み込まれるかのようです。昭和という時代を通じて国民を守ってきた国境は、その役目を終えつつあるかように見えます。日本の没落を前にして、私たちは底知れぬ恐怖と危機感に襲われています。 これを黒船来航から明治維新に喩える人があります。また先の対戦の敗戦に喩える人もありましょう。枠組みは同じです。欧米は巨大であり、その前に日本はあまりに弱く、先が見えなかったのです。
今日から読書週間だそうですね。 ってことで産経ニュースから以下のような記事が。 http://sankei.jp.msn.com/life/education/081027/edc0810270320001-n1.htm これについてDan Kogai氏が反応してエントリをアップされています。 404 Blog Not Found:まずお前が読め、お前が! Kogai氏のエントリは基本的に産経に反発しているんだけど、「子供が本好きになるにはまず親が本好きになること」という点については賛意を示されています。 普段、本から遠ざかっている子供に読書週間だからといきなり本を読むことを勧めてもあまりうまくいかないだろう。本好きに育てるには、知らない間に自らが本に手を出すように仕向けるのが最もよい。それには、まず親が本好きになることだ。中でも幼児期に親が本に親しむ姿を見せることが、子供が本への興味を持
来年も作りたい!ふきのとう料理を満喫した 2024年春の記録 春は自炊が楽しい季節 1年の中で最も自炊が楽しい季節は春だと思う。スーパーの棚にやわらかな色合いの野菜が並ぶと自然とこころが弾む。 中でもときめくのは山菜だ。早いと2月下旬ごろから並び始めるそれは、タラの芽、ふきのとうと続き、桜の頃にはうるい、ウド、こ…
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