産経ニュース(寺河内美奈撮影) 昨夜の日本アカデミー賞の授賞式をテレビで見ていて広末涼子がちょっとかわいそうになった。会場にいた「おくりびと」の出演者のなかで唯一彼女だけが受賞できなかった孤独に加えて、受賞者たちと一緒に華やかなステージに登って笑顔で対応しなければいけなかったのだから。彼女の心中を思うと見ているこちらまで辛くなった。 ウェブの映画評でも広末涼子の評価だけが低い。ボロクソなコメントも少なくない。しかしそれは多分に誤解だ。 観客が映画の納棺師や業界に感情移入すればするほど、広末演じる納棺師の妻に違和感を覚えたり、浮いた存在に見えてくるのは演出上の狙いだ。広末はこの映画の「悪役」であり、「(ちょっと軽薄な)世間の常識」を象徴する役所だったのだ。確かにもっと地味で芸達者な女優(小林聡美?)を起用する選択肢もあったと思うが、広末のような若くきれいで、ちょっと軽くおさない印象の俳優が起