次は軌道エレベーターの知識に関する記事を、と思いつつなかなかまとまった時間がとれず、かわりといっては何ですが、今回は天文に関することを。なぜ北極星の高さ=その場所の緯度になるのか? ということです。 少し前、台東区に行った際に、江戸時代に浅草橋にあった天文台跡に足を伸ばしてきました。現在は歩道脇の小さな緑地になっていますが、この付近に、幕府から暦を作る仕事を任じられた「天文方」の天測施設があったそうです。天文方といえば「天地明察」で改暦を成した主人公の渋川春海が、初代天文方に任じられたということで、御存じの方も多いことでしょう。 行ってみると、緑地には解説文の看板が立っていました。 当時の様子を、葛飾北斎が「富嶽百景 鳥越の不二」に描いています。ネット上に転がっていた画像を拝借してきました。仲村士「江戸の天文学」(角川学芸出版)によると、天文台は最初、神田駿河台にあり、神田佐久間町などを経