「現代は人とのつながりが希薄になってきていますが、つながりは大切にすべきだと考えます。江北(こほく)図書館は我々がつながってきた歴史の一部、地域の誇りです」 そう語るのは、滋賀県長浜市木之本町にある江北図書館の11代目理事長・岩根卓弘さん。江北図書館は大変レトロで雰囲気のよい建物ですが、実際は老朽化が目立つ常態です。 江北図書館は明治40(1907)年に財団法人江北図書館として開館し、122年間もの長きにわたり地域の人々が守り続けてきた私設図書館です。現在使用している建物もすでに築86年。このような古い建築物を保存する必要があるのかをたずねたところ、岩根さんは下記のように答えてくれました。 「江北図書館のような古いものは、生活になくても支障のないものです。でも、個人が設立して、 それを地域で守ってきた図書館はどこにもありません。古いものをすべて残すことが正解だとは思いませんが、江北図書館は