1908年(明治41)に奈良市般若寺町に建設された「奈良少年刑務所」。東大寺から1キロほど北の住宅地に接して、10万6,000m2の広大な敷地に刑務所が広がっている。 まず、左右に円塔を配置した大きな表門が目を引く。正面に見える堂々とした赤レンガ造りの洋館は、職員が働く庁舎として使われている。 建設当時は「監獄をみれば、その国の文化度がわかる」と言われた時代。世界の列強諸国に不平等条約解消を図る明治新政府は、世界に日本の国力をアピールしようと、奈良、鹿児島、長崎、金沢、千葉に同時期に刑務所を建設。これら「明治の五大監獄」のうち現存するのは、ここ、奈良だけだ。 取材時点で364人を収容し、およそ200人の職員が働いている“現役”の建物だ。 しかし、現代の建築基準法や消防法の条項を満たしていない部分もあり、いたるところに段差がある。驚いたことに開設以来、大きな改築はなく、受刑者たちの手を借りな
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