今年3月、吉田麻也は長谷部誠にLINEのメッセージを送った。目前に迫ったロシアW杯アジア最終予選のUAE戦(アウェー)とタイ戦(ホーム)でキャプテンマークを巻くことになったからだ。律儀な彼は、負傷離脱中の前任者にこう報告した。 「ハセさん、今日、キャプテンをやることになりました。ハセさんみたいに引っ張れるかわからないけど、俺なりにやってみます。勝って日本に帰れるように頑張ります。また日本で」 長谷部からは、スタンプとともにこう返ってきた。 「マヤ、お前なら余裕だ。気負わず頑張ってな。レフェリーのコントロールよろしくな。また日本で待ってる」 レフェリーのコントロールとは、試合中の主審とのコミュニケーションのこと。例えば微妙な判定でファウルの笛が鳴らされたとき、主審の意図を訊き、こちらの思いを伝えることによって互いに信頼関係を築き、不可解なジャッジが下されることを防ぐ。キャプテンの大事な役割だ