■ 日本の不動産市場の特殊性 日本と英国は同じ島国であり、同じG7のメンバー国でもありながら、不動産市場の特性は大きく異なる。不動産投資で成功したロンドン在住の日本人であるK氏はこう語る。 「日本の不動産市場の特徴として、本来の価値、個別の価値が査定金額に反映されにくいことが挙げられます。例えば中古マンションの場合は、取引事例を元に“相場”が作られてしまいます。タワーマンションが売りにくいのも、相場が作られてしまうためです。 また、日本の戸建ては『木造の家』を基準に制度設計されているので、建物の価値は年を追うごとに下がり続けていきます。日本の木造住宅は購入後4年経つと価格が下がり始め、減価償却の耐用年数である20年を過ぎると、上物の価値はゼロになり、土地だけの価格になってしまいます。地震や台風などの自然災害が多いのも致命的です」 一方、英国では築何百年という歴史ある住宅に住むことがステイタ