「カイロ大卒」は完全な公職選挙法違反 石井: 書きながら、度々、自分に問いました。ここまで書いていいのか、と。公人ではありますが、どこまで掘り下げるかは悩みました。ノンフィクション作家というのは常に「二つの罪」を背負っていると思っています。それは、書くことの罪と、書かぬことの罪です。私は今回、後者の罪をより重く考え、本書を執筆しました。 近藤: 書くことの罪と、書かぬことの罪――まさに言葉を紡いでいく者の宿命ですね。 本書では、小池氏の5年間のカイロ留学時代のうち2年間を一つ屋根の下で暮らしたという早川玲子さん(仮名)がもっとも重要な存在として登場します。この方の証言は衝撃的ですね。 「(小池氏は)カイロ大学は1976年の進級試験に合格できず、従って卒業はしていません」 はっきりとこう述べている。これが事実なら、小池氏は完全な公職選挙法違反です。 石井: そうです。早川さんは、小池氏より1