イラクでの航空自衛隊の平和構築や復興支援活動を貶(おとし)めるきわめて問題のある高裁判断だ。 名古屋高裁は自衛隊のイラク派遣差し止め訴訟の控訴審判決で、差し止めと慰謝料請求の訴えを棄却しながらも「米兵らを空輸した空自の活動は憲法9条1項に違反するものを含んでいる」と、違憲判断を示した。 原告側は上告しない方針で、国側も上告できない。自衛隊のイラク派遣を違憲とする初の判決は確定する。この違憲判断は主文と無関係な傍論の中で示された。 傍論で違憲の疑義を表明することは、憲法訴訟のあり方から逸脱している。 しかも被告の国側は最高裁への上告を封じられる。これは三審制に基づき最高裁をもって憲法判断を行う終審裁判所としたわが国の違憲審査制を否定するものと指摘せざるを得ない。 違憲判断自体も問題だ。空自が多国籍軍の兵士をバグダッドへ空輸する任務は、他国による武力行使と一体化した行動であり、自らも武力行使し
イラク空自違憲の判断 政府の理屈の矛盾突く2008年4月18日6時2分印刷ソーシャルブックマーク 空自小牧基地を出発するイラク復興支援派遣隊第15次隊=14日、愛知県小牧市、遠藤啓生撮影 ※写真をクリックすると拡大します 周辺でゲリラ攻撃や自爆テロが頻発しても、航空自衛隊の輸送機が離着陸するバグダッド空港は「非戦闘地域」。戦地への自衛隊派遣と憲法とのつじつま合わせのために政府がひねり出した理屈の矛盾を、名古屋高裁が突いた。空自の活動は来年7月に期限切れを迎えるが、違憲判断で派遣継続のハードルが高まった。 ■あいまいな「非戦闘地域」 「政府は総合的な判断の結果、バグダッド飛行場は非戦闘地域の要件を満たしていると判断している。高裁の判断は納得できない」。町村官房長官は17日の記者会見で、あからさまに不満を示した。 高裁判決は「バグダッドは、国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し、
会長声明集 Subject:2008-04-18 名古屋高裁自衛隊イラク派遣差止訴訟判決に関する会長声明 昨日、名古屋高等裁判所は、いわゆる自衛隊イラク派遣差止訴訟判決において、航空自衛隊がアメリカからの要請によりクウェートからイラクのバグダッドへ武装した多国籍軍の兵員輸送を行っていることについて、バグダッドはイラク特措法にいう「戦闘地域」に該当し、この兵員輸送は他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ない行動であると判断した。そして、憲法9条についての政府解釈を前提とし、イラク特措法を合憲とした場合であっても、この兵員輸送は、武力行使を禁じたイラク特措法2条2項、活動地域を非戦闘地域に限定した同法同条3項に違反し、かつ憲法9条1項に違反するとの判断を示した。 そのうえで判決は、原告個人が訴えの根拠とした憲法前文の平和的生存権は、全ての基
昨日,4月17日,名古屋高等裁判所民事第3部(青山邦夫裁判長、坪井宣幸裁判官、上杉英司裁判官)は,自衛隊イラク派兵が憲法違反であることの確認などを求めた訴訟(自衛隊イラク派兵差止訴訟)において,判決理由の中で、「現在,航空自衛隊がイラクにおいてアメリカ兵等武装した兵員の空輸活動を行っていることは,憲法9条1項に違反する」との違憲判断を行った。 高等裁判所において,自衛隊が現に行っている活動について憲法9条1項違反が認められたのは日本国憲法制定後初めてのことであり,歴史的な意義を有する画期的な判決である。 判決では,現在のイラクの情勢について「多国籍軍と武装勢力との間のイラク国内における戦闘は,実質的には平成15年3月当初のイラク攻撃の延長であって,外国勢力である多国籍軍対イラク国内の武装勢力の国際的な戦闘である」,特に首都バグダッドは「イラク特措法にいう『戦闘地域』に該当するものと認められ
7月4日、与党3党の賛成により、イラク特別措置法案が衆議院を通過した。 イラク特別措置法案は、戦後はじめて、自衛隊が他国領土で米英軍を主力とする多国籍軍を支援することをその目的とするものである。 わが国は専守防衛を国是とし、今まで自衛隊は相手国の同意の存する国連のPKO活動に協力する場合以外、他国領土に派遣されたことがない。しかし今回の派遣には国連の要請もイラクの同意も存しない。 そもそも米英軍のイラク侵攻は国連憲章に反するものであり、大量破壊兵器の未発見という事態を前にして、米英が主張した正当性さえ大きく揺らいでいる。現在、イラクにはイラク人による実効性を備えた統治機構は存在せず、米英軍が侵攻の戦後処理としての占領行政を行っている。また、米軍自身が認めるように、未だイラク全土が戦闘状態にあり、米英軍はフセイン政権支持勢力に対する掃討作戦を継続しており、これに対し同勢力も武力攻撃を繰り広げ
12月9日、政府はイラク特別措置法に基づいて、自衛隊の派遣を含めた「基本計画」を閣議決定した。基本計画には、「安全確保支援活動」を掲げ、政府は、「基本計画」上は、米軍の武器・弾薬の輸送も可能としている。また個人携帯式の対戦車弾や無反動砲の装備を海外派遣で初めて携行するものとなっている。 当会は、平成15年(2003年)7月23日、イラク特別措置法の制定に際し、自衛隊がイラクにおいて戦闘継続中の米英軍のために武器・弾薬・兵員を輸送することは、米英軍の武力行使と一体化したものと評価されることは明らかであること、さらに自衛隊がイラク国民に対し武力を行使せざるをえない事態や、自衛隊員が攻撃により死傷する事態の発生も予想されることから、イラク特別措置法が他国領土での武力行使を禁止している憲法に違反するものであり、制定に反対する旨の会長声明を発表している。 現在、議論されているイラク特別措置法による自
きくちゆみの不定期日記。家族で自給自足を目指した13年間の南房総生活を経て、2011年3月の福島第一原発事故を機にハワイに移住。現在、主にハワイで健康コンサルタントとして、日本で「マスターラスール (コネクションプラクティス認定トレーナーと、認定コースアセサー)」として活動中。 20代から世界40カ国を旅した結果、現在の暮らしを選択。我が家の食と暮らし、健やかで活力ある身体を維持する秘訣、心の平安を保ち周囲に広げるラスール(コネプラ認定トレーナー)を養成する「ラスールジャパン」の取り組み、福島の子ども達をハワイで保養する「ふくしまキッズハワイ」などについて綴ります。 私の関わるイベント・講演会情報もこちら(転載はご相談ください)。 画期的な判決が出ました。裁判官の青山さんに心からありがとう!です。有形無形の圧力があると想像しますが、今回は司法の良心の健在ぶりを見せました。うれしい! 憲法は
民主党『次の内閣』ネクスト外務大臣 鉢呂 吉雄 ネクスト防衛大臣 浅尾慶一郎 昨日、自衛隊のイラク派遣差止めを求める裁判について、名古屋高裁は、航空自衛隊の活動の一部を違憲とする判断を示した。政府は、裁判所の判断を真摯に受け止め、航空自衛隊のイラク派遣を直ちに終了すべきである。 判決が、航空自衛隊の活動する首都バグダッドは「戦闘地域」に該当すると認定した事実は重い。政府はこれまで、「自衛隊が活動する地域は非戦闘地域」として、「バグダッド空港は非戦闘地域」「飛行区域の下が戦闘地域であっても、飛行区域は上空なので戦闘地域ではない」等、ごまかしの答弁を繰り返してきた。これらの政府答弁が、裁判所によって、法的な観点から否定されたものと受け止める。 民主党は、たとえイラク特措法が定める「非戦闘地域」が一時的に存在したとしても、相手側の意志により一瞬にして「戦闘地域」に変わり得ることから、「非
自衛隊のイラク派遣を違憲判断した17日の名古屋高裁判決は、主文で国側を勝訴としながらも、判決理由の中で原告側の主張をくみ取るという“ねじれ”の論理構成をしている。国側は判決内容に反論があっても、主文で勝訴しているために上告ができない。 判例としての拘束力を持たない「傍論」部分で、違憲判断を下す「ねじれ判決」は過去にも例があり、そのたびに司法関係者から疑問の声が上がってきた。 最近では、平成13年の小泉首相(当時)の靖国参拝をめぐり、福岡地裁が平成16年4月に「参拝は憲法違反」としながら、主文で国側を勝訴としたケースがある。過去には岩手靖国訴訟の仙台高裁(平成3年)などが知られている。 福岡地裁判決では、横浜地裁の井上薫判事(当時)が週刊誌に「主文に影響しない憲法問題を理由にあえて書くのは『蛇足』というほかない」とする批判を寄稿し、議論を呼んだ。今回の判決について井上氏は「1審で訴えが退けら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く