景気後退による広告の激減や無料インターネットサイトでのニュース閲覧の普及による部数減などを背景に、米国と日本の新聞業界が揺れている。頼みのネット事業の飛躍を目指し、携帯電話や専用端末への配信など有料サービスの構築を模索する動きが本格化しそうだ。 ◆厳しい経営環境 フィラデルフィア州を中心に20の新聞を発行するジャーナル・レジスター、イリノイ州で59紙を発行するサンタイムズ・メディア・グループなど今年に入り、米国では地方紙の経営破綻(はたん)が相次いでいる。 大手紙も例外ではなく、ニューヨーク・タイムズは今年1〜3月期決算で7446万ドル(約72億円)の最終赤字に陥った。今月上旬、傘下のボストン・グローブ紙の廃刊を見送る一方、社員の給与カットなどさらなる経費削減に乗り出す方針を決めるなど、業績悪化の流れに歯止めがかからない。 国内では全国紙5社のうち、朝日新聞社と毎日新聞社が単体業績