パトリック・ホーリング氏(84)はビートルズの「エリナー・リグビー」がラジオで流れるたびに得られるごくわずかな金銭をめぐって闘っている。この曲は、1966年にビートルズが発表した13枚目のオリジナル・シングル。EU(欧州連合)法に基づき2016年に著作権切れとなる。 バイオリン奏者として録音に参加したホーリング氏だが、録音物の著作権保護期間が失効するため、それ以降、印税収入が入らなくなる。英国には音楽の印税に頼るアーティストが約4万人いて、ホーリング氏もその一人だ。 ポール・マッカートニーやリンゴ・スターのようなスターなら作詞者、作曲者として利益を得られるし、音楽会社と契約を交わしている。作曲家や作詞家の場合、存命中と死後70年間が著作権の保護期間だ。 ところが楽曲の録音に参加したスタジオミュージシャンや歌手に対する「録音物の著作権」の保護期間は米国の95年間に対して、EU域内では録