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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (51)

  • nix in desertis:オールタイム・ベストエロゲソング30(+10)

    特に何かあったわけでもなく唐突に始める。実はリスト上は「オールタイム・ベスト100」まで作ったが,記事にする上で100全てにコメントをつけると長くなりすぎるのと,どこまでがエロゲか問題がつきまとう曲も中には含まれていたため,ルールを定めて100曲から改めて40曲を選び直した。ルールは以下の通り。 ・18禁の商業作品で,かつ自分がプレイ済のゲームの中から30曲。 ・18禁の商業ゲームながら,自分が未プレイであるゲームの中からは10曲。 ・なるべく同じゲームから2曲を選ぶのは避け(例外有),同じブランドからの選曲は可能な限り少なくする。 最後の縛りの関係上,惜しくも40曲から漏れた曲がかなりある。たとえばKEYだとLight colors(智代アフター)やLittle Busters!,ねこねこソフトだとEscarlata(Scarlett)や六花のうた(ゆきいろ),何よりAugustはEte

  • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(共通テスト・国公立大編)

    昨日の続き。今年は共通テストと阪大・一橋大の計3問のせいで公開が1週間遅れ,おまけを作る気力が消滅したと言っても過言ではない。何なら一橋大の方はまだ原稿が完成しておらず,後に追記するか別記事を立てる可能性がある。解説が非常に長くなったので,心して読んでほしい。 1.共通テスト第2日程 <種別>分類不能(しいて言えば作図の指示ミス) <問題>1 B オーストリアの貴族クーデンホーフ=カレルギーは,1923年に『パン=ヨーロッパ論』を著し,ヨーロッパ統合運動を展開した。彼は世界が五つのブロックに分かれて統合されていくと考え,ヨーロッパも「パン=ヨーロッパ」として統合されるべきだと主張した。その際,欧米諸国の持つ世界中の植民地も,それぞれのブロックに統合されると考えた。次の図1・図2は,『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したものであり,縦線や横線,斜線,点などで地域がブロック別に示されている

  • nix in desertis:書評:『世界哲学史』7・8巻(ちくま新書)

    5・6巻の書評はこちら。 7巻「近代Ⅱ 自由と歴史的発展」 19世紀を扱った巻。よく19世紀が1冊に入りきったなというのが読む前の印象で,やっぱり無理があったかなというのが読後の印象である。サブタイトルの通り,大テーマはほぼヘーゲルとマルクスであって,その通りに論じているのはテーマ紹介の第1章の他,2〜4章まで。それもヘーゲルとマルクスを直接扱っているのは4章のみだった。後述するが,巻のサブタイトルは「啓蒙思想・観念論からの跳躍」とした方が実態に即していた。なぜこのサブタイトルになったのか,第1章を読んでも理解できない。 個々の章で面白かったのは第3・4章。3章はショーペンハウアーとニーチェについて。ショーペンハウアーの思想は全然詳しくなかったのだが,章で得た理解だけで言えば,章自身でそう触れられている通り,ものすごく仏教思想に近くて驚いた。ショーペンハウアーがどの程度インドに触れて

  • nix in desertis:高校世界史上で「大ジンバブエ」と「モノモタパ王国」をどう扱うか

    高校世界史深掘りシリーズ。現在のジンバブエ共和国には,その国名の由来となった大ジンバブエ(グレート・ジンバブエ)遺跡がある(見たことがない人のためにGooglemapにリンクを張っておく。ストリートビューで中を見ることができてけっこう面白い)。大規模な石壁に囲まれた都市遺跡であるが,この都市を建設したのは誰かというのは長年論争があった。19世紀後半から20世紀前半にかけては「サハラ以南の黒人にこのような都市を建設できるはずがない」という偏見からフェニキア人などの非黒人建設説が唱えられていたが,20世紀半ばにはさすがに否定され,現地のショナ人のモノモタパ王国(ムタパ王国)が建設したという説が有力になった。 しかし,現在ではこの説も否定された。というのもモノモタパ王国の存続年代が以前は11〜19世紀とされていたが,これは支配階級の部族や栄えた地域の変化を無視して,ザンベジ川とリンポポ川に挟まれ

  • nix in desertis:高校世界史でいかにリシュリューと三部会停止を記述するか

    高校世界史深掘りシリーズの小ネタ。ルイ13世の宰相といえばリシュリューであるが,ルイ13世の在位年1610〜43年,リシュリューの宰相就任は1624年である(1642年に在任のまま死去)。つまり,ルイ13世とリシュリューのコンビが組まれたのは,ルイ13世の治世33年の後半,約18年ほどであった。ルイ13世は即位時点で9歳であり,母后マリー・ド・メディシスが実権を握っていた。そのマリー・ド・メディシスが,1614-15年の(全国)三部会に聖職者代表として出席・活躍したリシュリューに目をつけて登用した。その後,ルイ13世は長じて母の専横を嫌って親政を開始したが,それでも母の寵臣だったリシュリューは追放せず,どころか宰相に引き上げた。リシュリューはマリー・ド・メディシスの寵愛ではなく,その才覚によって宮廷に留まったと言えよう。 リシュリューの事績は多岐にわたるが,高校世界史上,その一つとして挙げ

  • nix in desertis:『ホーキーベカコン』全3巻(原案:『春琴抄』,漫画:笹倉綾人)

    原案は谷崎潤一郎の『春琴抄』。ただし,よく見ると原作ではなく「原案:『春琴抄』」になっているように,大きくアレンジが入っている。あえて断言してしまうが,これは最高のリメイクである。『春琴抄』と『ホーキーベカコン』はどちらを先に読んでもいい。しかし,被虐嗜好を持つ主人公の佐助はともかく,春琴の描き方がかなり違うので,個人の好き嫌いはあれ,どちらを先に読むかで印象が変わってくると思われる。 そう,最も大きく異なるのがもう一人の主人公,春琴である。『春琴抄』の春琴は20世紀末以降の目線で言ってしまえば割とよくあるタイプの暴力系高飛車お嬢様ツンデレであって,そこに目新しさはない。昭和8年の作品に現代の目線から目新しいも何もなかろうとは思うが,『春琴抄』は加虐趣味・被虐趣味を前近代的な主従関係と重ね合わせ,文字通りの盲目的な愛に昇華させたことに焦点が当たっていて,春琴のキャラクターが作品の焦点という

  • nix in desertis:高校世界史上で,ロシアの農奴解放令をどう説明・評価するか

    高校世界史深掘りシリーズ。まずは前置きとして,各国で産業革命が進んだ時期をその国の「産業革命期」と呼ぶ。その国で機械を用いた工場が広がり始めてから,主要な工業分野で手工業が駆逐されるまでの期間のことである。並行して国土の主要幹線を鉄道が網羅し,都市化が進み,GDP内の割合や就労者数で工業が農業を追い抜くといった現象が起き,産業革命期の終わりを「産業革命の完成」とも呼ぶ。歴史上で最初に産業革命が始まったイギリスの場合,産業革命期は1770年代〜1840年代とされ,1851年の第1回万国博覧会が産業革命の完成の象徴と言われるのはそうした事情による。 イギリスに次いで産業革命が始まった国家群がベルギー・フランス・アメリカで,やや遅れてドイツ地域である。これらの地域は産業革命期が1830年代〜1860年代(ドイツがそれぞれ10年ほど遅れる)とされる。そう,アメリカドイツは後発資主義国と言われる

  • nix in desertis:「イギリス農業革命」の記事の落ち穂拾い

    はてブでめちゃくちゃ反応があって,「この記事そんなに伸びる要素あったっけかな」と思いつつ,ブコメを読んでいくつか記事の補足をしておく。 >骨肥料の誕生と刃物産業の関わりの伝承はナイフ好きには分かりやすいがほとんどの人にはわかりにくい。 骨肥料と刃物産業の関わりの逸話はこれに記載がある。このコメントは,記事に「農業革命とは,狭義には農業技術の革新である。細かく言えば農具の改良や土壌改良手法の確立等もあいまって全般的に改良されたようなのだが」と書いたのを補足していくれていて助かる。実際に骨粉を撒いての土壌改良は18世紀の農業技術の革新の一つで,19世紀に骨粉が供給していたのはリンと特定されて,帝国主義時代の欧米諸国はリン鉱石と「海鳥の糞」を求めて世界中を駆け回ることになる。 それはそれとして,牛骨の利用というと個人的にはやはりボーンチャイナを連想するところで,18世紀のイギリス人の牛骨活用が

  • nix in desertis:大相撲の横綱・大関を世代で分析する

    はてな匿名ダイアリー(通称増田)に次のような記事があった。 ・将棋界の現時点での世代表 ・2010年7月18日の世代表 ・2000年7月18日の世代表 3つ並べてみると一目瞭然で「羽生世代のタイトル独占が20年に渡った結果,真上・真下の10年がタイトルホルダーになれず,非常に苦しんでいる」というのがよくわかる表になっている。大変に面白かったので,大相撲ではどうなるかを調べてみた。将棋と大相撲では,大相撲の方が競技寿命が短いという違いがあるものの, ・年間の主要タイトル数が6と7(8)でほぼ同じ ・個人競技であり,単発ならともかく,複数回のタイトル獲得には絶対王者を撃破する必要が生じる ・絶対王者でも年間タイトル完全制覇は困難で,半分から2/3くらいの支配にとどまる ・絶対王者が弱体化・引退すると,なぜか戦国時代は短くすぐに次の絶対王者が登場する という全く同じ構造・性質を持つために,むしろ

  • nix in desertis:イギリス農業革命と産業革命を,高校世界史でどう説明するか

    高校世界史深掘りシリーズ。またしても経済史になるが,こういうネタは経済史の方が拾いやすいというのはある。18世紀後半から19世紀前半にかけて,イギリスでは産業革命が起きているが,その前段階として農業革命も起きている。 農業革命とは,狭義には農業技術の革新である。細かく言えば農具の改良や土壌改良手法の確立等もあいまって全般的に改良されたようなのだが,高校世界史上でも取り上げられる最大の革新は,三圃制農業が四輪作農法(ノーフォーク農法)に切り替わったことであった。すなわち,輪作の周期に窒素固定を行うマメ科の植物(の根粒菌)を入れることで地力の回復を早めつつ,家畜用作物も生産することができるようになった。これによって休耕地が消滅し,穀物が増産され,同時に畜産物の肥育も容易になった。近代的混合農業の始まりである。 こうした農法の切り替わりは農村のあり方に波及することになる。イギリスの農村ではそれま

  • nix in desertis:高校世界史における中世・近世の「琉球王国」問題

    久々の高校世界史深堀りシリーズ。先日Twitterでこんなアンケートを取った。回答してくれた方々はありがとうございます。 ちょっと気になるので,アンケートをとってみたい。知っている人は知識で,知らない人は調べずにイメージでお答えください。 琉球王国の最盛期はいつ?(最盛期の定義が曖昧ということであれば,万国津梁の鐘の作られた時期をお答えください) — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) June 3, 2020 正解は万国津梁の鐘の制作年が1458年なので,一番上の「1429年〜16世紀前半」が正しい。実際に琉球王国の最盛期はこの時期であるというのが一般的な認識であろう。後述の理由から正解者は少ないだろうと思っていたのでそこはあまり驚きがなかったのだが,こんなに綺麗に解答が割れたのは予想外だった。琉球王国の盛衰については,Call of Histroryさんの次の

  • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。今年は通常の校正者以外の手も借りないといけなくなるような問題もなく,比較的スムーズに進行した。 <収録の基準と分類> 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「

  • nix in desertis:東北旅行記(仙台・山形,2019年8月)

    昨年8月に旅行した東北旅行の記事を書いておく。 〈初日:移動のみ〉 夏コミ終了と同時に出発。コミケ不参加だったパレさんが合流して頬付カーに乗り込み北上。今回の旅行のコンセプトが「いつも旅程を詰め詰めにしてしまうので,今回は戦利品(同人誌)を車に積み込んで,旅館でだらだらしながら読む」とした。つまり,合計3人分の同人誌(200冊くらいある?)を車に積んでいたことになる。初日は移動のみで福島県某所のビジネスホテルに宿泊。同人誌を読む気力もなく爆睡。 〈二日目:仙台・かみのやま温泉〉 ビジホの朝飯を適当にべて出発。昼飯は牛タンをべたいということで,仙台駅前の某名店へ。美味なり。午後は青葉城へ。スタンプラリーのつもりで行ったのだが,観光に力がかなり入っていて意外と面白かった。特に仙台城VRゴーは傑作である。 種崎敦美に勝てなかった。 pic.twitter.com/xGqRZynIcL — D

  • nix in desertis:佐賀旅行記(2019年5月,『ゾンビランドサガ』聖地巡礼)

    さすがに1年経過したり新展開が起きたりする前に書いておかねばなるまいと思われるので,旅行の記事を消化していく。しかし,それこそ放置しすぎて時間が経っているので,当時の情景を忘れている部分もあるので簡潔に。まずは昨年のゴールデンウィークに行った『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼から。 〈初日:佐賀到着・かつみ屋・ガタリンピック会場〉 新幹線で佐賀到着からレンタカーを借り,急いで移動して,昼飯は『グルメランドサガ』漫画版『ゾンビランドサガ』でお勧めされていたかつみ屋へ。 どこに来たかわかるだろうか。 pic.twitter.com/Dn40ZT0vIa — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) May 3, 2019 なお,このクイズ正解者がいた。すごい。店はやや狭く少し待った。ただし,うどんであるので回転率は良い。名物の鶏の皮を使った「すどりかま玉うどん」は絶品と言ってよ

  • nix in desertis:世界史用語集から消滅した用語ver.2019

    山川出版社の『世界史用語集』はほぼ毎年出版されているが,大規模な改編があった場合は改版,ミクロな改編しかなかった場合は増刷という使い分けをしている。ただし,正確に言えば改版は刷数をリセットして第1版に戻すということをやっているので,改版ではなく再出版になるのだが,まあそこは置いといて。改版になるのは学習指導要領が変わったタイミングになることが多いが,そうでなくともたまに改版している。ちなみに,第1刷のみタイトルが『世界史用語集』で,第2刷以降は『世界史用語集 改訂版』という書名になるという小ネタがある。書店では最新版以外が売っていることはまずないが,Amazon等で注文する際はタイトルと発行年をちゃんと見ないと無駄に古いものを買うことになるので注意が必要だ。たとえば現行の『世界史用語集』は2014年に刊行,『世界史用語集 改訂版』は2018年12月刊行である。 さて,その2018年12月に

  • nix in desertis:2019受験世界史悪問・難問・奇問集 その1(上智大・慶應大の途中まで)

    今年も無事に公開に至ることができた。協力してくれる方々に感謝を申し上げたい。まあ,事情が複雑すぎて解説を書くのが追いつかなかったものが今回は2問ほどあるのだが…… ・収録の基準と分類 基準は例年とほぼ同じである。 出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。 悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。 → 歴史的知識及び一般常識から「明確に」判断を下せず,作題者の心情を読み取らせるものは,世界史の問題ではない上に現代文の試験としても悪問である。 奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。 難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がまったく不可能な問題。記事で言及する「受験世界史

  • nix in desertis:世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:中国王朝編(五代〜清)

    五代から清まで。おまけとして中華民国以降。 基準はこれまでと同様に以下の通り。 A:基礎知識。センター試験世界史B以上の入試を受けるなら知ってないとダメ。 B:国立二次・MARCH以上の私大を受けるなら必要。 B-:教科書に載っていて用語集頻度もそれなりに高いが,便宜上掲載されているという色彩が強く,実際には入試にはほとんど出ない。ネルウァが好例。 C:高校世界史範囲内・外のグレーゾーン。用語集頻度が低いか掲載されていないもの,または旧課程では範囲内だったもの等,早慶上智対策としてなら見るもの。 D:高校世界史範囲外だが,早慶上智でなら見たことがある。満点が欲しいなら覚えてもいい(が当然推奨しない)。 E:完全な高校世界史範囲外で,早慶上智ですら10年に1回未満のレベルでしか見たことがない。 視認性を高めるために,グレーディングのアルファベットに沿って☆を付した。Aなら6個,Eなら1個であ

  • nix in desertis:「受験世界史の音楽史がやばい」に寄せて

    ・受験世界史の音楽史がやばい(増補あり)(allezvous’s blog) これの受験世界史側から見たあれこれを。 ・そもそもこんなに覚えなくてもよい 私をして見たこと無い入試問題がめちゃくちゃ多い。これは私が00年代半ば以前だとさすがに私大は綿密に解いていないという事情があるので,半ば私の調査不足が原因である。とはいえ元のpdfに掲載されている入試問題の年度を見ていただけると,2001年や2003年の問題がけっこう含まれており,中京大や愛知淑徳大といった,あまり特別に大学別の対策をしないような大学の入試問題からも拾っている。このプリントの作者は,中堅以下の私大に限れば私よりも断然研究している。 逆に言ってしまうと,そこまでしないと音楽史の入試問題抜粋集なんて作れないのである。拙著でも何度か取り上げているが,高校世界史は明らかに文学偏重であって,扱いの重さは文学>美術・建築>その他である

  • nix in desertis:東大食堂の壁画廃棄問題についての雑感

    ・宇佐美圭司壁画処分問題(Togetter) ・展示されていた宇佐美圭司の絵画は・・・ (東京大学消費生活協同組合:ひとことカード集) → 不祥事であり議論の大筋には同意するが,その上で言うと,残念ながら宇佐美圭司は「誰でも名前ぐらい聞いたことあるでしょレベル」では全くない。関心が無い人が見たら抽象画であるがゆえに「奇抜な壁の模様」にしか見えず(つまり壁画とすら認識されない),ましてや知名度のある画家の作品とは思われないと思われる。なにせ,多少なりとも美術に関心があり,かつ4桁のオーダーでここに通った私でも,このニュースを見て「そういえば抽象画の壁画あったな」とやっと思い出すレベルである。ましてや他の大多数の学生・教職員をや。おそらく学内で知名度アンケートをとっても1%に満たないであろう。 → 「今の日の大学の知的レベルがわかる話だ。」とか適当なことを言っている人が東浩紀含めて複数いるが

  • nix in desertis:世界史上の諸君主の出題頻度グレーディング:古代ローマ皇帝編

    ブログの歴史系記事の目的は,専門家・市井の歴史ファン・高校世界史(受験世界史)の距離の接近にある。もちろん私は専門家の歴史家ではないので専門知識の普及については他の方にお任せしているが,高校世界史は専門家や歴史ファンにとってもそうかけ離れたものではないということについては,ある程度貢献できているのではないかと思う。 そういう活動をしていて,Twitter等でたまに聞かれる・驚かれることナンバー1が,これだ。 「◯◯朝の◯◯って高校世界史だと教えないの!?」 そう,皆,歴史ファンや専門家にとっては高名な人物や事項が高校世界史だと途端にマイナーになるという現象に驚きを隠せないのだ。特に君主。そこで,私の独断ながら,その乖離を整理し,理由を可能な範囲で付していけば面白いのではないか,と前々から思っていた。思いついてからなかなか腰が上がらなかったのだが,試しに一番需要がありそうなローマ皇帝でやっ