昨年7月、石川県小松市民病院(小松市向本折町)で入院中、病院から外出して特急電車にはねられ死亡した加賀市の男性(当時40歳)の遺族が、「外出を見逃して事故を招いた」として、病院を運営する市を相手取り、慰謝料など約3200万円の支払いを求める訴訟を金沢地裁小松支部に起こした。 同支部で6日に開かれた第1回口頭弁論で、市側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。 訴状によると、男性は昨年6月9日、自殺しかねない精神状態になったため入院。7月8日には開放病棟に移って療養していたが、同月24日午後、行方がわからなくなり、翌25日午前、同市今江町のJR北陸線線路上で特急電車にはねられ死亡した。 原告側は「精神状態が不安定なのに、外出を容易に見逃したのは安全配慮義務違反があった」と主張。市側は答弁書で「退院に向けて準備していたことからすれば行動制限は最小限にならざるを得ない。捜索も十分に行った」と反論して