日本が朝鮮半島を併合して百年(併合条約調印は8月22日)となる今年、2010年は、韓国の民族感情がいや応なくセンシティブになりそうだ。ところがこの機微な時期を前に、民主党の小沢一郎幹事長は訪韓の折などに天皇陛下の訪韓問題や永住外国人の地方参政権問題で独断的な発言を繰り返した。こうした小沢氏の「歴史観」は、両国がこれまで腐心し調整してきた歴史問題の均衡を崩しかねない。あるいは民主党政権が日本の一方的な「謝罪外交」を復活させる可能性を示唆しているのか。久保田るり子)「小沢史観」の真意は? 韓国政府は20年来、盧泰愚政権(1988〜93年)時代から日本の天皇陛下の訪韓を招請しているが、日本は環境が整っていないとの判断から先送りしてきた。「環境」とは、両国間にくすぶる歴史認識問題や対日感情への配慮である。 小沢氏は小渕政権下の約9年前、野党自由党の党首として訪韓した際、韓国紙のインタビューにこの問