毎年恒例の正月スポーツイベントといえば、「箱根駅伝」(正式名称:東京箱根間往復大学駅伝競走)だ。1920年にスタートした長い歴史を持つ箱根駅伝は、開催時期が正月ということもあり、観戦者は2日間で100万人以上、テレビ放送の平均視聴率は30%を超えるという近年まれにみる長寿・優良コンテンツだ。プロ野球やサッカー中継の視聴率が下落傾向にある昨今、なぜ箱根駅伝はその人気を維持し続けることができているのだろうか? 今回はその要因について、考え尽くされたコンテンツの魅力、テレビ放送やスポンサーシップ、そして出場する大学の経営的効果などの観点から検証していく。 まず、箱根駅伝というコンテンツ自体の強さを考えてみると、そもそもスポーツコンテンツには、映画やドラマ、また演劇などのジャンルに比べ、「結果がわからない」というかけがえのない魅力がある。大学生が競り合い、走り続ける。そこに、演出者の作為は見られず