会談は日本側の完敗だった。平和条約交渉は事実上行われず、同条約に関する声明や文書が出なかったばかりか、四島での「共同経済活動」の協議開始にすら合意してしまった。今後日本は、これらの「負の遺産」をもとにして、対ロ交渉を行わねばならなくなった。 どうすれば日本の主権を損なわない形で四島での「共同経済活動」が可能になるのか。妙案があるとは思えない。平和条約締結に向けての重要な一歩どころか、むしろマイナス効果を及ぼすことが危惧される。主権の所在はどうでもよいとの気分が醸成され、ロシアの実効支配が強化されるからだ。 一つの救いは、日本の主権が侵害される場合、日本は直ちにそうしたプログラムを中止できることだ。日本側が提案している「八項目」の経済協力も、今後ロシアが領土交渉に誠意を示さなければ、中止すべきだろう。北方領土への人的交流の拡大は唯一、評価できる。 プーチン氏は今回、一九五六年の日ソ共同宣言で
米中両政府が9月末の首脳会談を前に、ある男性の身柄をめぐって水面下で駆け引きを繰り広げていた。中国共産党を揺るがしかねない機密の流出を恐れ、中国は「協力」を求めたが、米国は拒否。この男性からもたらされた情報の分析を始めているとみられる。 米中の正式な首脳会談が開かれた前日の9月24日夜。ホワイトハウスに隣接する迎賓館ブレアハウスの一室で、オバマ大統領と習近平(シーチンピン)国家主席が向き合っていた。 この非公式の夕食会で、習氏側が求めたことの一つが、米国に滞在する中国の汚職官僚の身柄の引き渡しだった。「反腐敗」を掲げて幹部を次々と摘発する習指導部は、海外に逃れた腐敗官僚や企業家も「猟狐(キツネ狩り)」と称して身柄を追っている。 「中国は国際社会とともに腐敗逃亡者を追い求めている。米国の支持と協力を望む。腐敗分子を海外の『逃亡天国』に居続けさせるわけにはいかない」 夕食会の2日前、習氏はシア
国連総会で軍縮問題を扱う委員会で、中国の軍縮大使が、「日本は原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを大量に保有しており、核開発に乗り出す可能性がある」と指摘したのに対し、日本の軍縮大使は核武装の意図はないと強く反論するなど、双方が応酬しました。 この中で、中国の傅聡軍縮大使は中国が核軍縮に取り組む姿勢を強調する一方で、日本が原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを47トン以上も保有しているうえ、国内には核武装を求める声も根強くあるとして、日本が核開発に乗り出す可能性があると指摘しました。 そして、「なぜ日本はこれほど大量のプルトニウムを保有しているのか。日本はごく短時間で核兵器を保有することができる状況にある」と述べ、日本側に説明を求めました。 これに対して日本の佐野利男軍縮大使は、日本はIAEA=国際原子力機関の査察を受け入れ、すべての核物質を監視下におい
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