北朝鮮が二十八日深夜に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、半日前に防衛相を兼務したばかりの岸田文雄外相が対応に追われた。政府は「一人二役」でも問題ないと不安の打ち消しに懸命。八月三日にも見込む内閣改造まで乗り切る構えだ。しかし、事態が深刻化したときに岸田氏一人で対処できるのか疑念の声も上がる。野党は有事の際に支障が出るのは明らかと批判した。 岸田氏は二十八、二十九両日、東京・霞が関周辺を慌ただしく往来した。二十八日午前は閣議や記者会見に出席。午前十一時五十分に防衛相兼務の発令を受け、午後には防衛省に入って北朝鮮情勢を含めた説明を聞いた。ICBMが発射されると二十九日午前零時半すぎには首相官邸へ。国家安全保障会議(NSC)に出た後、防衛省へ移動する。外務省に立ち寄り、帰途に就いたのは午前四時前だった。