民主党代表選で再選された野田佳彦首相が輿石東幹事長に続投を打診したのは、他に党内をまとめられる人材はいないと判断したためだ。衆院選の時期について来夏の参院選との同日選を唱えてきた輿石氏に続投要請したことで、首相が年内の解散を見送るとの見方が強まった。ただ、今後離党者が相次ぎ、与党が衆院で過半数割れする可能性がある中、政権が安定軌道に乗る保証はない。衆院選の展望も見えず、民主党は存亡の危機に直面しようとしている。 21日午後の都内のホテル。首相は再選が決まるとすっくと立ち上がり、深々と頭を下げた。壇上に上がっても顔はこわばったままで笑み一つこぼれることはなかった。 「高揚感よりも責任の重さを感じる。戦闘集団に変えていくためのチーム力の強化を目指したい」 首相はそう語った上で、党役員人事を早期に固める意向を示した。首相は公邸に戻ると直ちに輿石氏との会談に入り、約40分会談した。終了後、輿