アジア太平洋地域は、中国の台頭などによって安全保障環境に変化が起きています。 きのう(5日)公表された「防衛白書」は、「この地域の安全保障上の課題や不安定要因がより深刻化している」と強い懸念を示しました。政府は、日米同盟だけでなく、アメリカの同盟国であるオーストラリアとの協力を強化しようとしています。今夜の時論公論は、日・米・豪の関係を中心にアジア太平洋地域の安全保障面の課題について考えます。 アジア太平洋地域が重視される大きな理由は、中東からインド洋を経て南シナ海を通過するシーレーン=海上交通路の存在です。世界で海上輸送される原油のおよそ3分の2はこのルートで運ばれているとされ、この地域の安定は、世界経済にも大きな影響を与えます。しかし今、中国の軍事的台頭と海洋進出に加え、これまで圧倒的な力を誇ってきたアメリカの影響力の低下によって、情勢が不安定化する懸念が高まっているのです。 (中