アラコ 「『先入れ先出し』というのはだな、先に納入された部品から先に使うこと。つまり、古いものから使うってことなんだよ。分かったか?」 8月上旬のある日、天津市内にある自動車用シートメーカー、天津華豊汽車装飾の事務所を訪ねると、大島勝三総経理が傍らの中国人社員に説明する張りのある声が耳に飛び込んできた。 トラックは1時間おきに毎日10便 同社は車両組み立てとシートなどを手がけるアラコの中国合弁会社。天津トヨタ自動車への納入開始に向けた体制作りが最終局面に入っている。 「準備は99%整った」と大島総経理。煉瓦造りの事務棟の横には、今年完成したばかりの真新しい工場が建っている。天津トヨタの生産開始に合わせて作ったもので、設備も大幅に刷新した。日本人駐在員は3人だったが、天津トヨタ設立直後の2年前に3人増員。さらにこの数カ月、出張ベースの応援者を15人呼んで立ち上げに備えている。 トヨタにとって
inside Enterprise 日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?ダイヤモンド編集部が徹底取材します。 バックナンバー一覧 いよいよトヨタ自動車は“聖域”に手を付けるのではないか――。 そんな声が今年になって業界内で囁かれるようになった。 聖域とは、他でもない、国内の販売網のことである。つまり、年々縮小傾向にある国内市場の低迷に伴うディーラー網の再編、販売チャネルの統合だ。 周知のとおり、トヨタ系ディーラーは、地元の名士や有力者などが経営する地場系ディーラーが9割を占める。その強力な販売力は「販売のトヨタ」と言わしめるほどで、トヨタ成長の原動力となった。 現在、トヨタの販売チャネルは、メインの販売車種ごとに異なり、「ネッツ店」「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」のトヨタブランド4系列に、「レクサス店」と計5系列。ホンダはすでに「プリ
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