これまでの記事はこちら 今回紹介したい本は、先日文庫化されて復活をみた、野田努『完全版 ブラック・マシン・ミュージック――ディスコ、ハウス、デトロイト・テクノ』(河出文庫、2025年)である。オリジナルの公刊が2001年というから、ほとんど四半世紀も前である。それがいま、文庫というかたちで入手しやすいかたちで届けられた。ちなみに、ここでは2017年に再刊されたさいのあとがきと本書で重要な役を演じるDJデリック・メイの2024年のインタビュー、そして文庫版に寄せられた長めのあとがきが追加されていて、それぞれ意義深いテキストである。 本書が公刊されたとき、たぶん日本で黒人文化、とりわけ黒人音楽(いまだほとんどイコールアメリカ合衆国の黒人文化だった)に関心を寄せている人間に、しかも本書が「保守的黒人音楽愛好家」とされるような受容スタイルに甘んじている人間たちには多かれ少なかれ衝撃を与えたとおもう

