「フリーター世代」の戦争待望論/高橋哲哉 今年の6月に東京で通り魔殺人事件を起こした加藤智大に対して「犯罪は途方もないが、(犯行に及んだ)気持ちはわかる」という若者が少なくない状況について書いたことがある。昨年、ある雑誌に「丸山眞男をひっぱたきたい-31歳フリーター。希望は、戦争」という論文を書き、『若者を見殺しにする国-私を戦争に向かわせるものは何か』という著書でもこのような主張をした赤木智弘に対しても、「極端ではあるが、心情は理解できる」という若者が多かった。 赤木は栃木県に住んでいるフリーターで、彼の1カ月の収入は10万円程度だ。‘就職氷河期’に社会に出るしかなかった‘失われた世代’の一人だ。経済的に自立できないために結婚もできず、現代日本の格差社会の中で非正規雇用労働者として来る日も来る日も屈辱的な思いを抱いて生活している。父親が死ねば「首をつるしかない」と話す彼は、従って自分に機