菅義偉政権が皇位継承のあり方に関する議論をどう進めるか、注目が集まっている。官房長官時代は安倍晋三内閣のスポークスマンとして、父方に天皇の血筋を持つ「男系継承」を尊重する姿勢を示してきたが、現在の政府・与党には過去に例のない「女系天皇」を容認する幹部もいる。新政権誕生をきっかけに長年の伝統が崩れることを心配する声は多い。 「男系継承が古来、例外なく維持されてきたことの重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行っていく必要がある」 首相は官房長官時代、安定的な皇位継承のあり方について、記者会見などでこう述べてきた。ただ、この見解は伝統を重視する安倍氏の意向が反映された部分が大きい。安倍氏はかねて、女性皇族が結婚後に宮家を立てて皇室に残り皇族として活動する「女性宮家」創設にも後ろ向きだった。 安倍氏が去った後の政府・与党の中枢には、男系継承に理解があるとは言い切れない重鎮もいる。菅政権誕生の立