私は37歳で長女を産み、39歳で次女を産んだ。いずれも生殖補助医療によって授かった。 会社員時代に経験した不妊治療はお金がものすごくかかった。痛みも仕事のスケジュールの調整も、並大抵の日々ではなかった。今回はできたかもしれないと思っても、生理がくるたびにお金も時間も努力もすべて水泡に帰したと思っては落ち込むことを繰り返した。 そして国会議員になってはじめて、この国では生殖補助医療がないことになっているのを知った。明治時代に作られた民法は生殖補助医療によって子どもができることを想定していない。不妊治療とは何か、国の責務、医療関係者の責務、法律で定められたものはなにもなかった。実際には人工授精は1948年から行われていて、現在では年間1万人とも2万人ともいわれる子どもが生殖補助医療によって生まれている。 2003年にタレントの夫妻が米国での代理出産で子どもをもうけたことが明らかになり、07年に