執筆者 長村 洋一 藤田保健衛生大学で臨床検査技師の養成教育に長年携わった後、健康食品管理士認定協会理事長に。鈴鹿医療科学大学教授も務める 多幸之介先生の健康と食の講座 長村 洋一 2025年4月18日 金曜日 ●異例の速さで行われた機能性表示食品制度の改革 昨年3月に小林製薬の起こした紅麹事件は16名の死者(大阪府の報告)を出す健康食品史上においても極めて深刻な大事件となった。事件を起こした商品が国の機能性食品制度に準拠した商品であり、かつ小林製薬はこの制度で要求されている内容を少なくとも表面上は満たしていた。すなわち、単に会社の不正によって発生した事件でなく、制度上の欠陥によって起こった事件であるから国の対応は半端でなかった。この事件を受けて関係省庁は、それぞれの立場から機能性表示食品制度に介入を行い異例な速さで大きな変革がなされた。 速やかな健康被害情報提供の義務化とGMPの義務化(
