前回の分散プログラミングでは、Meshという仕組みを使って、複数のScratchが協調して分散処理を行う様子を説明した。その際、裏側の仕組みとして用いたのがリモートセンサープロトコルだった。本来、このプロトコルは外部環境のセンシングのために使われる。 今回は、このリモートセンサーなど、Scratchが現実の世界とやり取りする方法と、それを使ったフィジカルコンピューティングを紹介する。 Scratchで「調べる」こと 第1回のオブジェクト指向プログラミング でも触れたように、Scratchは原則としてオブジェクト(スプライト)間の関係を表現する手段を持たない。しかし、処理は複数のスプライトが協調して進められる。協調する手段の一つが、不特定多数にメッセージを送るブロードキャストだ。そして、もう一つが、「調べる」カテゴリーに含まれるブロック群である。 例を挙げて考えてみよう、テニスゲームのボール
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