原子力電池では放射性元素の熱を利用して熱電対による発電をしていると昨日書いた。 原子力電池は身近ではないので、もっと身近なところで熱電対が使われているガスコンロで原理を調べてみる。 多くの家庭用ガスコンロの炎の出るあたりにクレヨンの先っぽのようなものがでていると思う。これが立ち消え安全装置の“感熱棒”というものだ。ここが炎で熱せられている間はガスを通し続ける。煮こぼれなどで火が消えてしまうと感熱棒の温度が下がるため安全装置が働き、ガス漏れを防止するしかけだ。 この感熱棒の中に熱電対というものが入っていて、熱せられている間は電気を発生させて電磁石を動かしている。コンロを使っていないときはバネの力でガスの弁を閉じているのだが、電気が流れると弁が電磁石に吸着してガス弁が開く。万一、炎が消えたり回路の線が切れても電気が通らなくなるのでバネの力で弁が閉じてガスは遮断される。単純な物理法則に則っている