世界的にも貴重なツルの仲間「ナベヅル」7羽が、島根県・出雲平野の斐伊川周辺に飛来し、越冬している。野鳥の観察施設「宍道湖グリーンパーク」(出雲市)によると、出雲平野にナベヅルが7羽も飛来したのはここ10年で最多という。 出雲平野のナベヅルは先月、3回に分かれて飛来した。成鳥2羽と幼鳥1羽の家族が2組と、単独で訪れた成鳥1羽の計7羽。このうち家族のナベヅルは、斐伊川周辺の水田でえさの昆虫などを探すなど、親子が寄り添う仲むつまじい姿が目撃されている。 渡り鳥のナベヅルは、絶滅の危険が増している種として環境省が絶滅危惧(きぐ)?U類に指定している。シベリアなどで繁殖し、主に日本で越冬。越冬地としては、世界の生息数の約9割が越冬するという鹿児島県出水平野が有名。