ナショナルブランド商品で市場をほぼ独占する食品がある。「さけるチーズ」だ。雪印メグミルクが1980年に発売した商品は、味はさることながら手でさける意外性とおもしろさがウケ、ロングセラーを続けている。 これだけ根強い人気の商品であれば、他社が市場参入してもおかしくはない。が、これまでさけるチーズを脅かす商品は残っていない。 市場を独占できる理由とはなんなのだろうか… それは山梨・小淵沢で生まれた 雪印メグミルクのロングセラー商品「さけるチーズ」の発売は、いまから30年以上も前にさかのぼる。さけるチーズは、山梨県小淵沢にある同社のチーズ研究所で開発され、その隣の小さな工場で1979年に生産が始まった。地域限定の「手づくりチーズ」として発売したところ、チーズをさくという意外性とサキイカのように食べられるおもしろさが消費者を惹きつけた。 「このおもしろさは、いけるかもしれない」 1980年、そう読