日本を代表する哲学者、西田幾多郎(きたろう)(1870~1945年)の書を集めた「西田幾多郎遺墨展」が30日、京都大総合博物館(左京区)で始まった。約40点を展示。西田の書がこれほどまとめて見られるのは珍しいという。 西田の子孫が保管していた遺墨130点が今秋、京都大文書館に寄贈されることになり、披露を兼ねて企画した。書のほか、愛用のすずりや著作の草稿などが並んでいる。 監修した藤田正勝・京都大教授によると、西田は1928年に京都帝国大(現・京都大)を退官後、左京区の自宅や鎌倉の別荘などで、型にはまらない書に親しんだ。 今回の展示作には、中国・唐代の禅僧の言葉にちなんだ「光呑万象」(光万象(ばんぞう)を呑(の)む)など、西田哲学とつながる禅の作品も多い。 この日、早速来館した右京区の井川徳道さん(84)は「哲学は深くて少し難しいが、美しい文字で感銘を受けた」と話していた。12月1日まで。月